註 外国人のRP使用について

『自分で発音する場合は、A. C. Gimson氏が勧める「ていねいな口語体」(careful colloquial style)を使うのが望ましいようです。』と書きましたが、原典には『まず初めのうちは、』(at the beginning)とあります。

『完璧なRPを外国人が使うのは不適切と感じるイギリス人もいるので、』と書いたのは、ギムスンの『英語音声学入門』(An Introduction to the Pronuncaion of English等を念頭において書きました。下に『英語音声学入門』(竹林滋訳)の原文と訳を引用します。

Indeed, RP can be a hanicap if used in inappropriate social situations, since it may be taken as a mark of affectaition or a desire to emphasize social superiority. 3 ed. p.90 (Gimson's Pronunciation of English 6 ed. p.79)

事実、RP自体、もしそれにふさわしくない社会状況の中で用いられたら、ハンディキャップになることもありうる。これが、気取りのしるしとも、あるいは社会的優位を強調したい願望ともとられないからである。p.99

Moreover, it must be remarked that some memembers of the present younger generation reject RP because of its association with the 'Establishment' in the same way that they question the validity of other forms of traditional authority. For them a real or assumed regional accent has greater (and less committed) prestige. 3 ed. p.90 (Gimson's Pronunciation of English 5 ed. p.79 最新の6版では削除されています。

さらにまた、現在の若い世代の人々の中には、他の伝統的権威の妥当性に疑念を抱くのと同様に、RPが「体制」(Establishment)を連想させるとしてこれを斥ける者もいることに留意しなければならない。彼らにとっては実際の、またはそうだと思い込まされている地域的または通俗的な発音の方が大きな(そして縛られない)価値があるのである。p.98

『RPの教材である程度上達したら Estuary English(河口域英語)をモデルにするとよいかもしれません』については、近日中に追記する予定です。

 

参考文献

Gimson, A. C. An Introduction to the Pronuncaion of English. Edward Arnold, 3rd edn, 1980
(『ギムスン英語音声学入門』竹林滋訳 金星堂 1983)

Gimson, A. C. Revised by Alan Cruttenden Gimson's Pronunciation of English. Edward Arnold, 5th edn, 1994

Gimson, A. C. Revised by Alan Cruttenden Gimson's Pronunciation of English. Edward Arnold, 6th edn, 2001

 

このページを書くきっかけになったおたより From: よしの さん
                      Subject: イギリス式発音は難しいですねー。
                     Date:
Tue, 5 Jun 2001 13:57:52 +0900

 

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