PC−9801NS/Tの巻


△PC−9821Ap2の巻
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1. いきなりモノクロのノートが欲しくなったわけは?

最初にBXを買ったときは、カラーでないとゲームがつまらないのでイヤだということでノートはあっさり選択肢からはずれたのであるが、ここにきて急にノートの購入に踏み切ったのには理由がある。
その大きな理由は

パソコン通信

である。
パソコン通信でたくさんの発言を書くようになった私は、会社にもパソコンが欲しいと思ったのである。
夜間に日時更新として一連のバッチ処理を行うのだが、これがかなり暇になってしまう。
基本的にコマンドを実行して終了を待つしかない。ほかにプリントアウト作業もあるが、これも用紙をセットして出力を実行すれば後は待つだけである。
ということで、この時間はかなり暇な状態になってしまう。ということでパソコンでいろいろやってみたくなるのである。ワープロなどもあれば便利ですしね。
あとは、ノートの携帯性を考えたというのもある。このころからWindows3.1のサブノートが出回り始めていたが、さすがにこれを買う余裕はなかったのでDOSが動けばいいというのが条件であった。


2. パソコンでは初の中古

i386程度のCPUを搭載した98ノートを中古ショップで探し始める。
しかしこれという価格の物がなかなか見つからなかった。店をいくつか移動し探し続ける。
数店目でようやく

これは!

という物を発見した。
NS/Tではあったが、ハードディスクは200MBでメモリーも6MBも増設されている。
しかも価格は、今まで見たものに比べてかなりのお買い得な価格であった。
外見上の問題がないかを確認して購入を決定した。
結果的にこのパソコンは故障などは全くなくかなり「当たり」だったといえる。


3. ハードディスクが200MB?

実はこのNS/Tというノートは最大で80MBのHDDしか搭載できない。
IDEは実際500MB程度まで扱えるのではあるのだが、NS/TのBIOS的な設定で80MBまでの制限が付いているようである。
ただ、実際には500MBまでのHDDを使うことが可能である場合が多い。
このようなHDDには専用のフォーマッタが付いているのである。このフォーマッタを使えば制限を無視してHDDを使うことが可能になる。
NIFTY内のデータライブラリにもこのようなものがあるはずである。(こういうのをいまどき使う人はもう知っていると思うけど)
さすがに500MB以上はIDEの規格上無理と考えた方がよい。(でも、これ以上の容量のディスクを扱うことができるソフトが出回っていたことがある。Ap2に使えたけど怖いのでやめた・・・)
今回のNS/Tは購入時点ですでに200MBでフォーマットされていたので、このようなソフトを使う必要はなかった。


4. メモリー6Mの増設

メモリーはある程度載っていればいいかなという程度であった。全く増設されていないとEMSが使えないなど制限も多くなるのでこれは避けたかった。
しかし、今回は運良く6M分のメモリーが増設済みだったのですある。
このおかげで、一太郎Ver5.0も利用可能になったのである。ほかにもいろいろな利点があったのは言うまでもない。特に役に立ったのはバッテリー駆動の時である。


5. バッテリー

ノートを中古で買う場合はバッテリーは使えないと思ってまず間違いない。
発売されて数週間で出回っている中古ならばともかく、かなり前に出たノートとなるとまず間違いなくバッテリーの寿命が尽きている場合が多い。
これは文句を言っても通用しないので素直に新しいものを手に入れるしかない。
私の場合は、ぴ〜がお得意な方にバッテリーを手渡して中身をそっくり交換してもらったのである。
この方法だともちろん自己責任が当然になるのだが、元々中古なのでそんなことは承知していた。
それに、失敗なんぞはプロ級の腕前である彼にはないであろうということも大きかったけど。
これで、持ち運んで使うことが可能になった。
持ち運び出すと今度はバッテリーの保ち時間をのばす工夫が必要になる。
さて、どうすればバッテリーを節約できるのであろうか?

節約=電気を使わない=電源を大量に使いそうな機器の使用を極力減らす。

という関係が一番当たり前で簡単と思う
さて、電気をたくさん食べてくれる機器として考えられるのは次のものがある。

・液晶ディスプレイ
・ハードディスク

液晶は消すわけには行かないので、バックライトを絞って少しでもバッテリーが保つようにする。
ハードディスクは、自動停止機能を使って止めてしまうのが一番よい。ただし、ハードディスクを頻繁に読みに行く環境の場合止まったり動き出したりの繰り返しでかえって電気を大きく使ってしまう。
ではどうするかというと、HDDを使わないで済む環境にしてしまうということである。
一番の有効手段は、RAMディスクである。これは、メモリーをディスクと同じように扱うことができる機能である。
似たようなものにRAMドライブというのがあるが、これは98ノートで2台目のフロッピーディスクの代わりとして使うものである。RAMディスクの方が汎用性が高いのでこっちをおすすめする。
私の利用用途としては、テキストエディタを使って文章を書くことが多い。最初はDOSに付属していたテキストエディタ(ラインエディタじゃないぞ(笑))を使っていたのだが、使いやすいとはいえず大きなファイルは読み込めないという事態が発生したため、素直にVZエディタを購入する。
このソフトは、EMSを使ってファイルをすべてメモリーに納めてくれるので一度読み込んでしまえば(注意 読み込んだだけではダメで、データの一番最後を表示させることまですれば全てのデータがメモリに収まる。)後はHDDのアクセスは保存時だけで済むことになる。長時間書き続ける場合はかなりの節約が期待できるのだが・・・
それだけではHDDの回転を止めることができない。なぜなら漢字の辞書が原因である。
漢字変換をする際にHDDにある辞書を読みに行くことになる。漢字変換なしでは文章は作れないので辞書へのアクセスをなくすことはできない。
そのときに役立つのがRAMディスクである。辞書をRAMディスクにコピーしておけば、HDDにアクセスすることはなくなるのでHDDの運転を停止することができるのである。
これでかなりバッテリーを節約できるのである。
ただしこの技は、Windows上では使えないと思った方がいいだろう。
DOSでも使うソフトによっては不可能な場合も多い。
またRAMディスクを使う場合、リセットをしたり電源を切るとRAMディスクのデータはすべて消えるので運用には注意がいる。ハングアップで止まったりすればかなりショックを受けることになる。
RAMディスクに辞書程度にとどめた方がいいだろう。
さらに、98ノートメニューでの節約やDOSに付いているPOWER.EXEを併用することによってさらに効果は上がる。ただし、通信ソフトを使う場合は解除しないと文字化けや文字落ちを発生してしまう場合があるので注意が必要。


6. モバイル通信

NS/Tを灰色電話に持ち込む。
ポケットモデムを取り出しモジュラーケーブルをセットする。
当時はなかなか見ない光景だったため、それなりの勇気が必要だった。
詳しくはぱそこんひとばしらに書いたとおりなので省略
ただ、NS/Tの頃の98はシリアルポートが特殊だったため通信ソフトがサポートしているDTE速度とあわない場面があったのである。
私の場合2400bpsのポケットモデムしかなかったので大して関係なかったが・・・

7. らむ蔵

まずこの名を聞いて知っているという人は、かなり98系に詳しい人ではないだろうか。
これはPCカードが使えない98ノートでPCカードを使うための機器である。
古いタイプのノートは拡張ピンが付いている。ここにつなげて使うのである。
この機器をNIFTYのFNEC98系のフォーラムで借りる機会を得ることができた。
セットアップはらむ蔵に付いているフロッピーディスクと付属のNECのPCカードサポートユーティリティーを使う。
前者はらむ蔵自体のドライバである。
後者はDOSでPCカードを使うためのドライバである。これは今でも98ノートを買えばこっそりとHDDの中に入っている(笑)(ただしこのパッケージ版とは若干違う)
これらのセットアップは、インストーラーで大して時間をかけずに済ませることができる。細かい設定は後でCONFIG.SYSを開いて設定すれば済むことである。
それとは別にAp2にもCARDDOCKという機器を取り付ける。これはデスクトップでPCカードを使うための機器である。
今回はハードディスクカードとフラッシュメモリを同時に借りたので、自宅と会社のパソコンでデータをやりとりするということを体験できるわけである。
今まではフロッピーでちまちまやっていたのでこの差はかなり大きい。
CARDDOCKのセットアップもインストーラーで簡単に終わる。ところがカードを挿入してみたところ

ブッ・・

という音が・・・
いかにも、

ダメ!

そうな音である(笑)
(うまくいけばピポッと鳴る。98ノートのDOS上(らむ蔵も)ではピッと鳴る)
実際にチェックをしてもカードを認識していない。この理由の調査は難航した。
仕方がなくも説明書を隅々まで読む。するとメモリーの設定に関する問題点をようやく発見した。
このパソコンはコンベンショナルメモリーを多くとるためにかなりきつい設定をしていたのである。
そのためかもPCカード利用時に必要なメモリーの部分が使うことができずにPCカードも使えなかったようである。
この部分のメモリーを解放してみるとあっさりと使えるようになったのである。
そのかわりコンベンショナルメモリーは犠牲になってしまったが・・・
PCカードを使ったデータのやりとりはかなり便利である。試用期間が終了してしまい元のフロッピーの生活に戻ったときはかなりの不便さを感じたものであった。
その後、自分で購入することになるが、その話は次の機会に。


8. その後のNS/T

その後、ボーナス片手にLt2を購入した時点でこのパソコンはその使命を終えた。 現在はコレクションのひとつとして余生を送っている・・・

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