第2章 モバイルへの誘い
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一時期、ノートパソコンを片手にISDN公衆電話(灰色電話)を探し回る人々がいた。その理由とは「街角通信」というものだったりする。
外に出てもパソコン通信にアクセスしてメールや会議室を回ったり、時にはチャットまでやってしまうという、なかなか普通の人は決してやらない芸当である。
「なんでそこまでして通信すんの?」とお思いのあなた、
おっしゃるとおりである(爆)
自宅や職場でやれば十分ともいえるのに、それでもやらずにはいられないその理由とは‥‥
- メールなどで連絡をやり取りする場合は、出先でも受信できるのは重要。
- パソコン通信のOFFの際の連絡のやり取り
- やらずにはいられない体質になったから
とまぁ、色々あるわけわけである。
わたしもノートパソコンを買ってからは、ポケットモデムを片手に灰色電話のボックスに入り込んだりしていた。
ちなみに、使うのはさほど難しくない。
アナログのモジュラージャックに普通に接続して、電話機の切換ボタンを押してから後はパソコンから普通にダイアルすればいいのである。
自宅で通信するのと基本的には一緒である。
ただし、次のような電話機に当たると一生通信できないのでさっさと隣の電話へ移動すること。
- ダイアルしても反応しない。
(3回ほどチャレンジしてダメであれば、電話機を変えるべき
一度でも成功した後は同じ設定でダメなら即変えるべき)
- カードが使えない
(以外と料金かかりますよ。)
- アナログのモジュラーにガムなどが詰まっている。
- 回線が切れている。
- 実は緑色の公衆電話だった
(ただし、名古屋駅などで緑色のISDN電話を目撃した)
- 使えそうな場合でも、以下の注意が必要である。
- 必然的に長電話となるので混んでいるときは避けた方がよい。
- 人の目を気にしない精神力が必要
- 電話工事と間違えられる可能性があるので、自分が何をしているか説明できるようにすること。
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初代のモバイル形態 | 2代目のモバイル形態 |
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モバイル族の基本ともいえる灰色電話アクセスであるが、さすがに灰色電話まで行かなくてはいけないのは辛いところである。
とすると、つぎのステップなるのは移動体通信である。
具体的には、携帯電話とPHSである。
携帯電話はわたしは所有していないので簡単に説明するが、基本的に専用のセルラーカードを使うことにより通信が可能になる。
高速移動中でも使えるのだが、9600bpsという速度が速いと感じるか遅いと感じるかは人それぞれ。
わたしは、昨年4月にPHSを会社のある部署の得意先から手に入れた。
端末自体はタダであるが、初期費用が当時はかかったのはまぁ仕方のないところである。ちなみに会社はアステル
しばらくして、端末が自宅に届いたので早速使ってみる。
しかし、ここで重大な事態が発覚!
自宅の部屋では圏外であった(号泣)
外で使うのが基本であるPHSとはいえ、この自体はちょっと辛い。
仕方がないのでしばらくは、外での利用に限定された。
電話として連絡を取り合うと言うことをしばらく続けていたが、どうしてもやりたくなってくることがある。
それは、PHSで通信ができないのかと言うことだ。
当時PHSはセルラーカードのような専用のカードは売っていない。
しかし、方法はある。
PHSのイヤホンジャックを使って通信をする方法である。
それと、カードモデムを繋ぐケーブルがモバイルを扱う店で売っていたので購入する。
私が持っていたカードモデムはTDKのDF2814だったが、買ったのはIOデータのカードモデム用だった。でも、実際使えるのである。
さて、使い方だが端末によって違う。
単純にイヤホンジャックから自動ダイアルできるか否かということになるのだが、わたしは後者の端末であった。
その場合は、パソコンで”X3”のATコマンドを使い、さらにパソコンでダイアルしたと同時にPHS端末でダイアル必要がある。
このとき、パソコンでダイアルする番号とPHS端末で描ける番号は一致しなくても良い。PHS端末でかけた番号につながる。
結果的にパソコンの通信ソフトには1つのアクセスポイントの設定で済むというメリットはある(笑)
(そのかわり、PHS端末の電話帳に登録しておかないと辛いが・・・)
さて、通信の快適さはというと、ハッキリ言えば「辛いものがある。」というところである。
とにかく不安定なのだ。
アンテナ表示が2本でも、結構落ちまくる。
アンテナや場所によっては3本でもつながらなかったりするので、実用に耐えられるものではなかった。
ということで、どうしてもというときにのみ使っていた。
なお、使いはじめてから4ヶ月後、自宅のそばにアステルのアンテナを発見した。
しかし、手元と端末は圏外・・・なんでじゃぁ!
その場でちょっと落ち着いて考えてみると、準備中だろうということで勝手に締めくくった。
ところが1ヶ月たっても使えないので、はがきにその旨を書いて送ってみると数日後にそのはがきが功を奏したのか、はたまた偶然かは知らないがアンテナが使えるようになった。(笑)
ところが・・・
自宅はマンションの9階であり、電波の届きが芳しくなかった。
あの系統のアンテナは上空の方には弱いのだろうか・・・
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3代目のモバイル形態 |
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PIAFSとは対応端末と専用PCカードを利用して実現できる32Kbpsでの通信である。
モバイルをしているものなら、この規格を無視するわけには行かない。
(ちなみにαDATAという規格もあるが、ここでは省略)
なにしろまず速度である。9600bpsから約3倍である。
インターネットまで、楽にできてしまう。
その2に安定性である。実際に使ってみるとなかなか回線断にはならない。
アンテナが1本でも、普通に通信できるのである。
電話として話すより安定しているのがなんか凄い
わたしは、NTTパーソナルの312Sに乗り替え、DC-1SというPIAFS用のPCカードを同時に購入した。端末は小さいということで選んだ。
DC-1SはDC-1Pと一緒ということなので悩んだのだが、端末と同じメーカーに合わせた。
しかしこれが後に悲劇を呼ぶとは・・・
買ってきて早速PC110で使ってみる。使い方は普通のカードモデムと一緒ということなので特に問題はないはず。。
通信ソフトは「air craft」である。
ATコマンドを若干変更して、いざNIFTY-SERVEにアクセス!
おおっ、とりあえずあっさりつながった。
ところが・・・
ログインの最初にある「## Welcome‥‥」のところで止まってしまうのである。
何度試しても結果は一緒であった。
「初期不良か?」とも思ったが、これだけでは決めつけられない。しかも、動作はWindows95でしか保証されていないようなのでなおさらである。
そこで翌日、会社のWindows95のマシンで試してみることに。
こっちではなんのこともなく通信できた。
ということで、初期不良の疑いはかけらもなくなったということになる。
とすると・・・
「相性」
この言葉は、パソコン界で最も恐れられる言葉といっても良いだろう。
なにしろ動かなければこの「相性」という言葉だけで片づけられてしまうほどの力を持っているのだから。
まずはPC110ではなくてPC-9821Lt2でやってみる。通信ソフトは一緒の「air craft」。
すると、こっちではあっさり通信ができた。
PC110では相性で動かないのか?
続いて、PC110の通信ソフトを「air craft」から「KTX」に変えてみる。
すると問題なく通信が可能となった。
これで
ATマシンでair craftだとダメ
という、結論が導かれる。
しかし、わたしのスタイルではこのパターンが一番大事なだけに納得がいかない。
とりあえず、NIFTY-SERVEで情報を収集しながら、考えてみることにした。
しばらくして、やめればいいのにDOS用のインターネットブラウザとダイアラーである「Webboy」を買ってくる。
せっかくの32Kbpsなので試してみたくなるのは、普通である(爆)
しかし、こっちは全くダメでダイアルすらしなかった。
設定が難しい(CONFIG.SYSをいじりまくる)ので、まずは一般回線でできるようにしてみた。
その後、一般回線では使えるようになったので、再度PIAFSでチャレンジ!
でもダメ・・・
こっちに関しては、NIFTY-SERVEで情報がたくさんあった。
それは、DC-1Sで成功した人は誰もいないということである。
しかも、DC-1Pならうまく行くということである。
そう、あのときのPCカードの選択からしてミスっていたのである。
翌日、わたしは再び店に走り、DC-1Pを購入したのはいうまでもない。
「Webboy」も「air craft」もDC-1PでならPC110で動作したということを最後に述べておく。
DC-1Sも、いまでは役立つところで第2の生活を送っている。
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