レイア「さぁ、『みんなで作れるかな？』のコーナーです。
　　　　きょうは、はやぶさの紋章を作ってみましょう。
　　　　ということで、ゲストはバレリアさんです。パチパチ‥‥」
バレリア「なんのために呼ばれたかと思えば‥‥。
　　　　　ところで、おまえは誰だ？」
レ「ひ、ひどい‥‥。ホントに忘れちゃったの？」
バ「じょ、冗談だって。泣くなよ。
　　でも、知らない人の方が多いんじゃないか？」
レ「え、そうなの？それはいけないわ！
　　そんな人は、いますぐここを読むのよ！」
バ「なんだ？その、
　　『エー スペース エイチ アール イー エフ イコール‥‥』
　　というのは？」
レ「バ、バレリア、あなたまさか知らないの？
　　それはまずいと思うわよ。わたしは‥‥」
バ「ば、馬鹿なことを言うな！
　　わたしは騎士なんだからそんなことは知らなくても良いにちがいない。」
レ「バレリア‥‥、あなたごまかしているわね？」
バ「い、いや。そんなことはないぞ。」
レ「ま、ということで始めましょう。まずは、材料です。」
バ「ところで、はやぶさの紋章なんて作れるのか？」
レ「当たり前じゃない。そうじゃないとコーナーにならないでしょ？
バ「作るのはレイアでしょ？で、わたしはなんのために呼ばれたんだ？」
レ「ただの飾り。」
バ「おい‥‥」
レ「冗談よ。できあがったあとからが大事なのよ。」
バ「できあがったのを、試すということか。」
レ「うん、そういうこと。で、材料は、はやぶさを１羽です。」
バ「？」
レ「ということなんですが、はやぶさがいま手元にないんです。
　　なかなか、手に入りにくいらしくって‥‥」
バ「はやぶさが無いと作れないのか？」
レ「そう、ダメなんです。ということでバレリアさん、捕まえてきてもらえますか？」
バ「それはできないな。」
レ「え、なんでよ？
　　バレリアなら、そんなの大したことないでしょ？」
バ「あのねぇ、はやぶさなんか捕まえるのは人間じゃ無理だって‥‥」
レ「そうかしら？」
バ「速いスピードで、飛び回るあの鳥を捕まえるのは簡単ではないと思うが。」
レ「そんな人間わざじゃないことをやっちゃうのが、バレリアじゃないの？」
バ「人を人間離れしているように言わないでくれっ！
　　とにかく、捕まえるのは大変だし、わたしの持つ紋章の由来でもあるはやぶさを捕
　　まえるのは気が進まないしな。」
レ「じゃ、しょうがないわね‥‥。
　　代わりに町で買ってきたにわとりで我慢しましょう。」
バ「お、おい。そんなので作れるのか？」
レ「まぁ、ちょっと違うものになってしまいますが、大差はないでしょう。」
バ「大差がないで済むのだろうか‥‥」
レ「で、にわとりをさばいてから、塩、こしょう、香草で味付けをしてオーブンで焼き
　　ます。」
バ「ちょっと待て‥‥」
レ「どうしたのバレリア？そんな怒った顔をして。」
バ「たしか、これから作るのははやぶさの紋章だよな？」
レ「なに言ってるのよ。さっきそう言ったじゃない。」
バ「で、なんで料理になるんだ？」
レ「何を勘違いしているの？
　　これは、紋章をモチーフとしか家庭料理なのよ。」
バ「お、おい‥‥
　　普通はそんな風には考えられないぞ。
　　で、本当にそんな名前なのか？」
レ「ええ、わたしが考えたの。できあがりの見た目も紋章みたいになるのよ。」
バ「まったく、そんな紛らわしい名前にするんじゃない！」
レ「ええっ！　せっかくバレリアのために考えたのに‥‥」
バ「頼む、紛らわしいからやめてくれ‥‥」
レ「で、オーブンで焼き上がったのがこちらです。」
バ「人の話を聞けって‥‥
　　って、できあがりが用意されているのに、わたしにはやぶさを捕まえさせようとし
　　ていたのか？」
レ「これも、にわとりよ。
　　はやぶさが手に入れば、こんな事はしなかったけど。」
バ「う〜ん、よし。
　　しょうがない、捕ってきてやるか。」
レ「え、ホント？」
バ「ああ、ちょっと待っててくれ。」
レ「わかったわ。わたしは準備をしておくから。」

３０分後

バ「おまたせ、捕まえてきたぞ。」
レ「は、速いわね。さすがバレリ‥‥げ！」
バ「どうしたんだ？レイア」
レ「それって、はやぶさじゃないじゃない。」
バ「え？
　　わたしは、はやぶさを捕まえてくるとは言ってないけど？」
レ「それにしても、ロック鳥はないじゃない！」
バ「いや、どうせなら豪快な方が良いかと思って。
　　スタッフもたくさんいるようだし。」
−同時に周りにいた人々の顔色が悪くなったのは書くまでもない。
レ「そんなのなんか肉が堅そうで、わたしイヤよ！」
バ「ダメ！
　　せっかく捕ってきたんだから、ちゃんと作るのよ、レイア。」
レ「そ、そんなぁ。しくしく‥‥」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２人の故郷のレイアの実家にて。

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