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 ベタの生態 ベタの繁殖行動
ベタの形態・特徴

種 名: アナバス目/ペロンティア科/マクロポーダズ亜科
     学名:Betta splendens 、 英名:Rumble Fish(ケンカ魚)、
     和名:ベタ(タイ国で闘魚の意味)
     
形 態: 全長70mm。 雌雄異形。
     ♂の背ビレ・尻ビレ・尾ビレは、♀のそれらより特に長く、美しい。

特 徴: 特に♂の魚体・鰭(ひれ)は美しいが、その性格は非常に激しい闘争性。
     ベタの魚体・鰭の美しさを楽しみ、その美しさを競うコンテストが日本を
     含む世界各国で開かれているが、
     ♂同士を1つの水槽に入れた場合は、相手のどちらかが死ぬまで戦う。
     原産国タイでは、ベタに激しい闘争心があることから、
     闘魚としてゲームに使われている。



ベタの生態

分 布: タイ、カンボジア。
採 食: おもに動物質食(動物性プランクトン、エビの幼生、仔魚など)を食べる。

ベタの成魚 ♂
ベタの成魚 ♀

 ベタの繁殖行動 観察記
ベタの♂親は、交尾以前から孵化した仔魚が水平に泳げるまでの間、何ひとつ食べず、卵の管理から
仔魚が誕生するまで単独で面倒を見る... その行動は、実に涙ぐましい繁殖行動である。

ところが、ベタを繁殖させるため、♂・♀をひとつの水槽などに入れた場合、♀は♂に追い回され、
♀のヒレがボロボロになり、あげくの果てには殺されるなど、申し合わせたかのように誰もが話す。
しかし、いたって簡単に繁殖し、その行動を観察することができた。

簡単なベタの繁殖と、その記録
使用した容器(水槽)は、仕切板がある透明な容器。(昆虫の♂・♀を仕切板で分けている透明なケース)
水は、半日ほど汲み置きしてあった水道水。 砂、濾過器、ヒーターは無し。 
水草も無い。

まず、♂と♀の相性を調べ... お見合い。

見合い相手は成熟した個体を選ぶ

●♂を選ぶには、
水面に沢山の泡をつくっている個体を選ぶ。
その泡は、やがて卵をくっつけるための泡巣となる。

●♀を選ぶには、
体側面に横縞模様が出ている個体で、
卵が体外から見える個体を選ぶ。

♂がつくった泡巣
体側面に横縞模様があり、
白い卵が見えている♀
さて、♂♀の相性は???
3
1
1. Jun. 09, 8:05 AM
  ♂のケースに仕切板を入れ、片方に♀を放す。
  ♀は、尾ビレを振り振り仕切板まで泳いだ。
2. 一回目の見合いで♂・♀ともに相性が合った。
  闘争する気配はまったくない... 安心した。
3. ♀は仕切板ごしに、♂をしきりに覗き込む。
  お気に入りらしい。
相性が合わなければ、
♂はヒレやエラぶたを
広げて威嚇する。
2
 ベタの交尾
Jun. 09, 9:50 AM
仕切板を取り除いた。

♀は尾ビレを振り振り泡巣の下へ行き、腹側を上にして♂をさそう。

♂は自分の長いヒレを使って、
♀の体を包むようにして抱き寄せ、
交尾をする。
 交尾・産卵、卵を泡巣へ
9:54 AM  腹側を上にして浮いている♀の体を、♂の背ビレ・尾ビレで包んで抱き寄せる。
♂は卵子に精子を放ち、卵子と精子が1つになると受精。 ♂が♀を抱いてから離れるまでは12-13秒。
♂♀が離れた後、♀は10卵ほどパラパラと産卵する。 受精卵は白色、未受精卵はピンク色。
一回の交尾が終わるごとに、
♀は水中に卵(10卵ほど)をパラパラと放出する。
その♀は気を失っているかのように身動き1つせず、
次の交尾まで水面に浮いている。

♂はその間、産み落とされた卵を、くちにふくんで、
忙しく泡巣に運ぶ。
失神?して浮いているように見える♀
 ♂親は卵を泡巣へ運ぶ
卵が水底に落ちる前に、
ナイスキャッチ。
泡巣に運んだ卵を泡にくっつける♂親

写真下 泡巣の卵
交尾が終わった♂は、♀から離れると同時に、♀の体から落ちてくる卵をいったん口の中に集め、単独で泡巣に運ぶ。
次から次へと落ちてくる卵、水底に落ちた卵、それらを忙しく拾い集め、1つ残らず泡巣に運ぶ。

一回の交尾ごとに、ここまでの過程がある。
♂親が卵を泡巣にくっつけ終わるころ、気を取り戻した♀親が腹側を上にして浮き、交尾を繰り返す。

交尾・受精・産卵・泡巣へ運ぶ...を何度も繰り返し、総産卵数は約150卵。
ベタの交尾は、Jun. 09, 9:50AMから0:22 PMまで、約2時間半つづいた。
交尾を終えた♀親を別の飼育容器に移した。
 ♂親は単独で泡巣の卵を管理をつづけている。
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