岸線・砂浜の鳥

アカツクシガモ 絶滅危惧種

アカツクシガモ-2 アカツクシガモ
メス成鳥冬羽 2002.12
アカツクシガモ
種 名 カモ目/カモ科/アカツクシガモ 赤筑紫鴨 Tadorna ferruginea Ruddy Shelduck
時 期 冬鳥。
形 態 L630mm 大型のカモ。 嘴峰36-50mm 翼長307-399mm  尾長104-144mm ふ蹠54-66mm.
    雌雄ほぼ同色。
    オスは、頭部が淡い黄褐色。 頸、背、下面はきれいなキツネ色で、頸の中央に黒色の頸輪がある。
    背には黒褐色の斑がある。 腰と尾羽は黒い。 雨覆と三列風切羽の内弁は白色。 嘴、脚は黒色。
    メスは、全体に淡く、頸輪がない。
    鳴き声: 繁殖地では「アアアアア」と鳴く。 
生   態
分 布 旧北区。
    ユーラシア大陸の低・中緯度地方の中央部と地中海地域に繁殖分布する。
    冬は、エジプト、ペルシャ湾、インド、中国南部、東南アジアなどに渡って越冬する。
    日本では、少数(1-4羽)が10月から4月頃まで見られる。本州中南部に渡来することが多い。
    絶滅危惧種に指定されている。

生息地 内陸の海水域、湖沼の沿岸、塩湖、河川、湿地に生息し、標高5,000mの高原・山地でも見られる。
    カモ類の中では、比較的水に依存しない鳥・・・必要な環境は近くに塩分を含んだ湖沼など。
    草原、半砂漠地帯の池、河川でも生息する。
    渡り期、越冬期に生息する場所は繁殖地に類似し、広々とした浅く水につかる湖沼の沿岸、河口、
    潟湖、溜池などの砂泥地に生息する。
採 食 浅く水につかる砂泥地で採食する。 雑食性。
    湿地を掘り返したり、頭を水中に入れて歩きながら採食したり、逆立ちして採食する。
    種子、昆虫、甲殻類、貝類を食べ、小魚、カエルを食べることもある。

繁 殖 繁殖期は、4-6月。 一夫一妻。
    巣づくり: メスが巣をつくる。 砂丘、樹木、岩の割れ目、哺乳類の穴などを利用する。
    浅い窪みを掘り、メス自身の羽毛を巣に敷いて産座をつくる。
    産卵: 1巣卵数、8-9個。
    抱卵: メスのみで抱卵し、28-29日で孵化する。 雛は早成性の離巣性。
    育雛: オス・メスが子育てをする。 ツクシガモのように早く親子が別れない。
    雛は幼鳥集団となり、生後55日ほどで独立する。

    非繁殖期は、数千羽の群れになることもある。
    渡りは、家族か、つがい、または小群で渡ることが多い。
    威嚇のディスプレイは、翼を半開きにして尾羽を開き、頭を上方に伸ばし、上を向いた嘴で、
    さえずる。
    求愛のディスプレイもグランドディスプレイをする。
    メスからオスに求愛すると、オスが頭を上げて背後に振り、尾羽を上げてコーリングする。

絶滅指標 接滅危惧種
アカツクシガモ-3 アカツクシガモ-4
黒い頸輪があるオス 成鳥冬羽  2002.12

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