三番瀬(Sanbanze)と 谷潟  海岸線・砂浜の鳥

ダイシャクシギ

ダイシャクシギ
種 名 チドリ目/シギ科/ダイシャクシギ 大杓鷸 Numenius arquata orientalis Indian curlew
時 期 旅鳥。
形 態 L580mm。 最大形のシギ。 オスの翼長280-312mm、メスの翼長294-318mm。
    雌雄同色。 嘴は下に大きく湾曲し、オスの嘴峰128-150mm、メスの嘴峰140-185mm。
    上面は黒褐色で、腰は白く、尾羽は白色に黒褐色の横斑があり、頸の前、胸に黒褐色の縦斑がある。
    冬羽は上面が淡色になり、縦斑の幅が狭く、褐色になる。 脚は青灰色で、ふ蹠70-87mm。 幼鳥は嘴が短い。
    鳴き声:「ホーイーン」
分 布 旧北区。ユーラシア大陸の中緯度地方の西半分、ヨーロッパからバイカル湖東部で繁殖分布する。
    冬期は、地中海地域、アフリカ、インド、中国南部、東南アジアで越冬。
    日本では旅鳥として、8-10月、4-5月に見られる。 本州で越冬する個体もいる。
ダイシャクシギの群 ダイシャクシギ
左からオス・メス、オス・メスの群れ 2000.12.16
生息地
渡り期の中継地では、おもに海岸、干潟で生息し、
潟湖、河川、湖沼の岸でも生息する。

繁殖地では、開けた湿地草原、湿性草原、乾いた草原、牧草地、農耕地、藪・樹木が散在する草原などに営巣する。







写真 左 2003.9.30 
ダイシャクシギ
採 食
湿った砂泥地では、下へ湾曲した長い嘴を深く差し込んで、さぐるようにして餌をとり、湿地や草原では、ついばんだり、嘴を半分ほど差し込んで採食する。

食べ物は、ゴカイ類、カニ類、二枚貝、昆虫など。
大きく湾曲している嘴は、カニの脚を振り落として食べるとき都合好くできている。

ホウロクシギに似ていて、カニを好んで食べる。




カニを採食しているダイシャクシギ 2000.12.16 撮影

繁 殖
繁殖期は5-7月。 一夫一妻。 つがいは縄張り分散する。
巣づくり: オスが草地にいくつかの窪みをつくり、メスが気に入った窪みの一つを選び、草片を敷いて巣をつくる。
産卵: 1巣卵数、2-5個。
抱卵: オスとメスが交代で抱卵し、27-29日で孵化する。 雛は早成性、離巣性。
育雛: オスとメスに育雛され、雛は生後、40-45日で巣立つ。

非繁殖期は、群れで生活する。
採食地で成鳥は採食なわばりを持ち、若鳥は採食なわばりを持たない。
オスはメスを求めるフライトディスプレイをする。
求愛のディスプレイは、波打つような羽ばたき上昇と、翼をV字形にしてグライディングを繰り返すスイッチバック型で、
さえずりを繰り返す。

12月 谷津干潟
飛びたちのディスプレイ
採食が終わるとねぐらへ飛びたつが、
谷津干潟には毎年、越冬する個体がいる。

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