水地帯・礫泥地の鳥

コチドリ

ハジロコチドリ ハジロコチドリ
メスの夏羽
オスの夏羽 2002. 04. 08 東京都
コチドリ
種 名 チドリ目/チドリ科/コチドリ 小千鳥 Charadrius dubius Little Ringed Plover
時 期 九州以北では夏鳥。 西日本以南の温暖地では越冬。
形 態 L 160mm 嘴峰12-14mm 翼長111-120mm  尾長50-60mm ふ蹠22-25mm.
    日本産のチドリ類の中で最小。 雌雄ほぼ同色。
    雌雄共に嘴は黒く、黄色の眼瞼(アイリング)があり、脚は橙黄色。
    頭の前半分が白く、その中央にある太い黒色の帯が過眼線に連なる。
    後頭部と背は灰褐色で、後首に白い頸輪があり、その下は黒色の帯。
    下面は白く、上胸には後頸から続く幅の広い黒色帯がある。
    鳴き声: 非繁殖期は「ピィ」、繁殖期の雄は「ピウー ピウー」「ピッピッピッ・・・」
生   態
分 布 旧北区。
    ユーラシア大陸の中・高緯度地方で繁殖し、同大陸南部からインド、アフリカ大陸中部に渡って越冬する。
    日本では、北海道、本州、四国、九州などに夏鳥として渡来し、繁殖する。九州以南では、少数が越冬。

生息地 河川の中州、水辺、河口の三角州、干潟、海岸の砂浜、まばらな植生地で裸出土の多い荒れ地で生息する。
    水域が近くにある砂泥地、砂礫地を好む。
    洪水で氾濫するような変化が激しい環境にてきしている鳥で、繁殖期であれば短期に出現する砂礫地でも
    すみつく。
採 食 砂泥地の表面から昆虫の成虫・幼虫を採食する。
    砂地を急速に走っては急停止したり、虫に狙っていることを気づかれないように、そっぽを向き、瞬時に
    振り返って虫を採食する。虫に不意打ち急襲するタイプ。泥地を片脚で叩いて虫を追い出して採食する。

繁 殖 繁殖期は、4-7月。 一夫一妻。 縄張り分散する。 縄張りは巣の周囲、直径10m。
    巣づくり: 雌雄共同作業で行う。雌雄が砂地に浅い窪みを掘り、巣材の小石、貝殻、植物片などを敷く。
    産卵: 1巣卵数、3-5個。ほとんど4個で、巣に十字型に並べる。
    抱卵: 雌雄交代で抱卵する。 
    孵化: 孵化日数、2-25日。 雛は早成性の離巣性。
    育雛: 初めの頃は、雌雄で抱雛する。雛は自分で採食する。雌雄が雛を育て、生後25-27日間で独立。

    
縄張り形成時: 縄張り争いは、オス同士がフライトディスプレイや、地上ディスプレイを行う。
    フライトディスプレイは、上空で
「ピウー ピウー」と発生しながら旋回する。
    地上ディスプレイは、体を水平にして走ったり、相手に突進する。


    
つがい形成時: 求愛のディスプレイは、オスはスクレイピング(窪みをつくる)・ディスプレイをする。
    スクレイピング・ディスプレイは、オスが
「ピッピッピッ」と発生し、窪みを紹介するためにメスを呼ぶ。
    メスが応じなければ、
オスは別の窪みで「ピッピッピッ」と発生し、メスを誘う行動を繰り返す。
    メスがオスの近くに来ると、オスは窪みのふちにつま先立ちし、体を水平にし、尾羽を窪みの上で扇形に
    開く。 メスは気に入ると、オスの尾羽の下に入って、座り込んだり、脚で窪みを掘るしぐさをする。
    このディスプレイは、つがい形成時、巣づくり時、交尾のときに行われる。
ハジロコチドリ
ゴカイを引っ張り出しているコチドリ 2002. 04. 08  葛西

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