種 名 チドリ目/シギ科/オグロシシギ 尾黒鷸 Limosa limosa Eastern Black-tailed Godwit 時 期 旅鳥。 春より秋の渡り期に多い。 形 態 L380mm 翼長181-205mm。 雌雄同色、夏冬異色。 メスはオスより大きい。 嘴: 湾曲せず、まっすぐで、嘴峰74-91mm。 脚: 黒色で、ふ蹠56-68mm。 夏羽: 頭上、頸の後ろが赤褐色の地に黒色の縦斑があり、背は黒褐色で赤褐色の斑が散らばる。 尾羽は白く、尾羽の後方に幅の広い黒帯があり、体の下面は白く、頸側、胸部は赤褐色。 胸・腹には黒褐色の横斑が散在。 冬羽: 上面が淡黒褐色で、羽緑は灰白色。 下面は白色で、前頸と胸が少し淡褐色に見える。 鳴き声: 「キュッ、キュッ」「ケッ、ケッ」 生 態 分 布 旧北区。 ユーラシア大陸の中緯度地方(シベリア東部、カムチャツカ、モンゴルなど)で繁殖し、 冬期は地中海地域、アフリカ中部、インド、東南アジア、ニューギニアなどで越冬する。 日本では、渡りの途中の8-10月、4-5月に見られ、オグロシギの個体が見られる。 生息地 干潟、河口、湖沼や河川の砂泥地、水田、溜池など、水に浸かる泥地。 繁殖地では牧場、湿っぽい草原、湖沼や河川の岸の草つき荒れ地、伐採あとの荒れ地になどで生息。 採 食 長い脚と長い嘴で、他のシギ類より深い場所に行き、嘴でさぐりながら採食する。 水中に頭を入れて採食することもある。食べ物は、昆虫、甲殻類、二枚貝、ミミズ、ゴカイなど。 繁 殖 繁殖期は4-5月で、一夫一妻制。 番(つがい)が集まりコロニーを形成する。 巣づくり: オスが地上にいくつもの窪みをつくり、メスが気に入った窪みの一つを選び、植物片を使ってつくる。 巣の周りの直径30-50mぐらいを防衛する。 産卵: 1巣卵数は、3-5個。 抱卵: オスとメスが交代で抱卵するが、オスのほうが多く抱卵する。 孵化: 22-24日ほど孵化する。孵化した雛は、早成性の離巣性。 育雛: オスとメスに育雛され、25-30日ほどで独立する。 数十羽までの群れをつくる。 オスはシギ類の中で、特に発達しているフライトディスプレイをする。 最初に転げ回るように飛んだ後、より上空を旋回して風切音をたてて一気に急降下し、 メスの近くに両翼を立てながら着地するディスプレイを行う。 |
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写真左 休息しているオグロシギ 写真上 白い尾羽に幅広の黒い帯が顕著。 |
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嘴の先端だけを開くことができるため、 じょうずにゴカイなどを挟むことができる。 |
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淡水池で採食しているオグロシギ 2000.10.15
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ゴカイをゆっくりと引っ張り出して食べる。
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オグロシギも直接頭掻き
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