三番瀬(Sanbanze)と 谷潟  陸水地帯・礫泥地の鳥

オオハシシギ

採食中
オオハシシギは1羽か2羽でいることが多い。 珍しいシギです。
成鳥冬羽 2000.11.11 千葉県・淡水池
オオハシシギ
種 名 チドリ目/シギ科/オオハシシギ 大嘴鷸 Limnodromus scolopaceus Long-billed Dowitcher
時 期 冬鳥、または旅鳥。
形 態 L 290mm メスの嘴はオスより長い。 嘴峰オス56.1-68.6mm メス64.6-80.8mm
    翼長オス130-147mm  メス139-152mm 尾長56-66mm ふ蹠34.8-45mm.
    雌雄同色。 夏冬異色。
    嘴は長くストレート形で、先端がやや大きくなっていて扁平している。
    夏羽は、頭上、上背は黒褐色に赤褐色の斑がある。 下背、腰は白く、上尾筒は白黒の横縞模様がある。
    尾羽の中央は赤褐色と黒色との横縞で、外側は白と黒の横縞。 翼に白帯がある。 顔、頸側、下面は赤褐色。
    眼先は黒褐色。 前頸、頸側、脇、下尾筒には黒褐色の小さな波状斑がある。
    脚は暗い緑黄色。 シベリアオオハシシギの脚は灰黒色。
    冬羽は、赤褐色がなく、頭上、上背は灰褐色。眉斑は白色。 下面は白く、前頸、頸側、胸は灰褐色。
    鳴き声:「ピョルピュルピュル」、繁殖地では「ビリリリビィビョ」。 
生   態
分 布 全北区。
    繁殖分布: ユーラシア大陸頭部と北アメリカ大陸西部の北極圏に繁殖分布する。
    越冬分布: 冬は、北アメリカ大陸南部からメキシコにかけて越冬する。
    日本には、ごく少数が渡来するだけで、10月から翌年4月ごろまで越冬している個体もいる。

生息地 繁殖地では、低地の泥深い湖沼の多い蘇地、藪ツンドラで営巣する。
    泥深い水溜まり、溜池、水田、ハス池などで生息する。
採 食 泥の深い水の中をゆっくり歩きながら、頭が水につくほど長い嘴をほぼ垂直に差し込んで、上下に動かして採食する。
    とくに双翅類の昆虫の幼虫、蛹(さなぎ)を食べ、貝類、甲殻類、ゴカイ類も食べる。

繁 殖 繁殖期は、5-6月。 一夫一妻(推測)。 つがいは直径100-300mの縄張りを形成し、縄張り分散をする。
    巣づくり: 水湿地の高くなっているところに巣をつくる。
    産卵: 1巣卵数、4個。
    抱卵: メスが抱卵し、オスは見張りをする。
    孵化: 20-21日ほどで孵化する。 雛は早成性の離巣性。
    育雛: オスのみで子育てをする記録があるのみ。 詳しくは、明確になっていない。
    
    
非繁殖期は、小群で生息する。
    オスは地上1-20mで、フライトディスプレイをする。
採食中のオオハシシギ オオハシシギの脚
水の中をゆっくり歩きながら、頭が水につくほど長い嘴を
ほぼ垂直に差し込んで、上下に動かして採食する。
頭掻きは、脚を体と翼の間にいれる間接頭掻きではなく、
直接頭掻きをする。 脚は暗い緑黄色。

日本には旅鳥、または冬鳥として、ごく稀に渡来し、その記録が北海道、本州、九州に。
このオオハシシギも1羽で、眠っているカモの群の間を、ゆつくり歩きながら採食していた。

掻くオオハシシギ 掻くオオハシシギ
嘴は先端がやや大きくて扁平形。 過眼線は黒褐色。 体を脚で掻きながら水面を360度旋回。 2000.11.11 淡水池
また、水浴びも360度、旋回しながら.....
オオハシシギのジャンプで、尾羽の細かい横縞模斑、脚がよく見えます。
夕方、休息中オナガガモの群の間を、1羽のオオハシシギが水中に長い嘴を差し込んで採食していた。

嘴も脚も水中のため、オオハシシギの特徴を観察・撮影したい、と思いながら採食の観察をつづけた。

発見して約2時間が経過したとき、頭掻きや、水浴び、ジャンプをした。 観察と撮影の願いが叶った。 2000.11.11 淡水池

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