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史 給餌 -1
親鳥が雛に餌をあたえる
ウミネコの子育て  ウミネコは食べ物をムダにしない

5月、雛が誕生すると親鳥は子育てに忙しい。

雛は半早成性の半離巣性のため、3日間ほど、親は雌雄交代で抱雛します。

巣の中で、親鳥の羽の下に入り。嘴の赤斑を何度も突っついて餌をねだります。親から雛への給餌は「巣立ち頃」まで続きますが、巣の中で親の胸に抱かれて給餌を受けるのは、2-3日間です。

巣立つまでオスとメスが子育てをし、巣立ち後は一切、親鳥は子どもの面倒をみません。

抱卵やく25日間。
育雛やく45日間、この間がウミネコ親子の生活です。その間に給餌や教育などをします。

親鳥は、「ウィーーーイッ ウィーーーイッ」と、尻上がりの声を出しながら雛に「食事だよ」と教え、半消化の魚などを嘴に吐き出して、雛に食べものを与えます。

ウミネコの雛に与える食べものは、イワシ、イカナゴ、イカ、オキアミなどの半消化したもの。
(写真はオキアミを給餌)

ウミネコのオス親もメス親もオキアミを採食しますが、それは釣り具・釣り餌屋さんから失敬してきたオキアミや、磯の釣り場に釣り人が残して行ったオキアミです。
ウミネコは雌雄に関わらず、潜水できないことから浮上した魚などしか捕食できません。雌雄同様に魚もオキアミもカニもアブもオタマジャクシも採食します。

雛が生まれて初めて、食べるオキアミ。
親鳥は雛の食べ方をじっと見て、子どもの体調を察します。
雛は親がくれる食べ物をくちばしに挟みましたが、最初は上手に挟めないため、落としてしまいました。
こんどは、こうしてと・・・雛の眼が輝いています。
こっちから挟んだ方がいいかな???

親鳥は雛が餌を食べる間、食欲を気づかいながら餌を与えます。

少し、落としながらも食べられるようになった。
たくさんのオキアミを頬張った。
親鳥は、雛が食べ方を知って安心したに違いない。
雛は満腹になって、もう餌を食べようとしません。
ウミネコは、食べ物をムダ・粗末にしない。

親鳥は、雛が食べるときに落としたオキアミを、ひとつ、ひとつ嘴で集めて食べ、一匹のオキアミも残さない。

親鳥が雛のために食料を調達してきたくても、気象条件が悪くて調達できない場合、食糧不足になる。調達できた食べ物は貴重であるということを親鳥は知っている。たくさんの子どもを持つ親鳥にとっては、なおさら大切な食料。

また、巣の周りに食べ物があれば、腐って不衛生になり、落ちている食べ物に集まる天敵や、他の個体の雛がいるため、常に巣の周りに食べ物を置かない。
それらを親鳥は子に教えているようです。

満腹で眠くなった雛は、まだよく歩けないため、小さな翼を広げて転がるように巣に戻って親に抱かれる。
母親からイワシの身をもらって食べる雛

雛への給餌は、オス親もメス親も行います。 こちらのページ

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