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グインサーガ72 パロの苦悶 ―PARROS IN PAIN― |
クリスタル大公ナリスに反乱の意志あり、と見たパロ国王レムスは、ナリスの居城、カリナエ宮殿へと兵を向ける。しかし、ナリスはすでに拠点をランズベール塔へと移していた。
ヴァレリウス、リンダのレムスによる更迭を確信したナリスは、キタイの竜王ヤンダル・ゾックの魔の手からパロを、中原を救うために、ついに挙兵の意志を固める。
ここに、首都クリスタルを舞台とした、国王派とクリスタル大公派によるパロ内乱が勃発したのだ。
クリスタルパレスの異変を察知したクリスタル市民は、旧アムブラ地区の学生たちを中心に次々とクリスタル宮殿、アルカンドロス大広場へと集まってくる。ナリスの働きにより地方の聖騎士たちもクリスタルへ集まってくる。
さらには魔道師ギルドも全面的にナリスの味方につくことを決意する。
そして、反乱勃発の夜、寝室に身を休めるナリスの元に、ついにヤンダル・ゾックが姿を現した。
ヤンダル・ゾックは、パロ地下に眠る、”生きた”古代機械「カイサールの転送装置」を手に入れ、共に世界の秘密を、世界を手に入れるためにナリスを誘惑する。
ナリスはヤンダル・ゾックの誘惑に打ち勝つが、アルカンドロス大広場にはキタイの竜騎兵が姿を現し、クリスタル市民の虐殺をはじめるのだった。
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いよいよ始まったパロ内乱、って数的にはナリスが有利に見えるけど、実際はどうなんだろう?
ちょっと勢力関係を正確に把握してみる必要がありそうだ。
さて、本性を現したヤンダル・ゾック。竜騎兵まで投入してきたけど(どこに隠れていたのか謎)、どうなんだ?
パロ国内でレムスへの不信が高まっているとはいえ、「レムスにはヤンダル・ゾックが乗り移っている」というナリスの言葉には全員が確信を抱いているわけではなかったはず。
竜騎兵なんか緒戦から登場してしまっては、私はヤンダルです、ってナリスの言葉を裏付けるだけだと思うんだけど。
しかもヤンダル・ゾックことレムスは、ナリスとイシュトヴァーンの関係を確定させる「アリストートスの密書」「アルノーが持っていた密書」を手にしている。それらを有効活用した方が、戦局を有利に運べると思うんだけど・・・
ヤンダルは、竜騎兵だけでパロ全体を敵に回すつもりなのか?それだけ自信があるのかもしれないけど・・・
次巻は「地上最大の魔道師」。三大魔道師の一人アグリッパ、満を持して登場か?
後書きによると、栗本さん、ついに100巻での完結を諦めたらしい素振り(100巻達成できないのではなくて、更に続くらしい^^;;)・・・なんだかなぁ。20年も書いていれば構想も変わるだろうから仕方ないけど、そうやってかつての伏線が変わってしまうのであれば残念だ。
2000/05/20更新