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魔界の刻印 グインサーガ81
魔界の刻印
―SINISTER SIGNS―

パロ北端の町シュク近辺で、謎の軍勢を撃破したイシュトヴァーンだったが、そこにはもう1つの軍勢が姿を見せていた。
パロ国王レムスとの会見のため、精鋭を連れて南下してきたグイン率いるケイロニア軍だ。
しかし、ケイロニア軍とゴーラ軍の衝突は、グインの采配によって回避される。
結果、彼らを衝突させようとしていた何者かの企てを未遂に終わらせることにもなった。

そして、イシュトヴァーンはそのままパロを南下し、ナリスの統治する神聖パロへと向かう。
中原で孤立するゴーラ王イシュトヴァーンは、ただひたすらに、ナリスが自分を頼ってくれることを信じていたのだ。

グインは、遂にレムスとの会見を果たす。それは、レムスを介したヤンダル・ゾックとの会見だった。
グインは、ケイロニアがパロ内乱に干渉しない条件として、ヤンダル・ゾックの中原撤退を提示する。
しかしヤンダル・ゾックは、例え彼が中原から身をひいても、パロの内乱は終わらないことを説く。
「われがパロからひきあげれば、ただちにレムスは全力をあげてカレニアにおそいかかり、カレニア政府をすべてたいらげ、ありとあらゆる方法を使ってアルド・ナリスを叩きつぶすだろう」(P.268)
グインは言う。
「パロの行く末について案じるのは俺の役割ではない」(P.283)
パロがどうなってもいいが、お前は中原から去れ。
返す言葉を失ったヤンダル・ゾックの気配が消えると、そこには、疑うべきのないレムス自身がいた。
レムスの精神は、カル・モルの憑依に打ち勝ち、ヤンダル・ゾックと戦いながら、なお生き続けていたのだ。
そのことを知ったグインは、魔宮と化したクリスタル・パレスへ赴くことを決意する。
レムスは喜んでグインをクリスタルパレスへと招く。
「クリスタル・パレスは、ケイロニア王をあげて歓迎しますとも。二度とお帰りになりたくなくなるくらいにね」(P.312)

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レムスがきちんと「生きていた」のはうれしい。パロ中興の祖、聖王レムスが登場するのか?
ということで、なんか近刊では不平ばっかり言ってたグインサーガだったけど、今後の展開に期待してしまうなぁ。

とか言いつつも、ナリスはどうするんだろう?
レムスはしっかりがんばっていた。
魔道王国、暗黒王朝誕生への危惧というのはあると思うけど、そもそもの大義名分は「ヤンダルの傀儡と化したレムスへの反乱ひいては中原の平和」だったはず。
それならとナリスに付いてきた諸侯も多かったと思うが、レムスが必ずしもヤンダル・ゾックの傀儡ではないわかった今、私情以外の反乱理由は成り立つのか?

2001/10/14更新