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グインサーガ87 ヤーンの時の時 ―THE TIME OF THE THRENETIC TIME―

グインと2人きりで話し合うことになったイシュトヴァーンは、ナリスへ執着する理由を明かす。
イシュトヴァーンがあくまでもナリスにこだわる理由は、ゴーラ軍がここまで進軍してきたことへの意義、そして自分自身の体面を保つためだった。
すべてを察知していたグインは、イシュトヴァーンの意図を組み入れ、共にレムス軍と戦い、ヤンダル・ゾックの脅威を中原から払うことで問題が解決すると説く。
グインの忠言を受け入れたイシュトヴァーンは、グインとナリスの会見を承諾した。
そこへ、ゴーラ本国からイシュトヴァーンへ、アムネリスの死とドリアンの誕生を告げる使者が到着する。
そして、ついにグインとナリスが対面するときがやってきた。
衰弱しきっていたナリスは、グインに会うと、古代機械がマスターとして認めたグインに後事をすべて任せ、静かに息を引き取るのだった。

■■■

ナリスが死んだ。
あっけないような気もすれば、87巻かけて死んだといえなくもない。
でもよくわからないんだけど、ナリスは2通の手紙をカイに託したらしい（P.212）。
ひとつは、古代機械が自爆するパスワードを記したもので、もうひとつは・・・謎。
って、カイ、殉死しちゃったけど手紙はどうなったのか？グインに渡したの？
それとも、手紙なんか読まなくても、マスターになればパスワードはちゃんと教えてもらえるってこと？
そして、古代機械が正式にマスターとして認めるには、前任者の証明が必要なのだとか。
その証明をヨナに託したらしい。ややこしいな。ちゃんと渡せよ、ヨナ。

さて、ナリスが死んでしまって、ヤンダル･ゾックはどうするのか？彼はレムス、またはアモンに味方する意味があるのか？
ナリスの秘密兵器（！）鉄仮面の男はどうなるのか？どこにいるんだっけ？ランズベールの塔？
アドリアン救出のために戦っているカラヴィア騎士団（83巻）はどうなったっけ？休戦しているんだっけ？
えっと、マリウスはどこへ行ったっけ？84巻で、グインがいるサラミスへ向かったまま？
んで、ヴァレリウス。ぶうぶう言っていたわりに、ナリスと一緒に死なないんだねぇ。まだまだやることがあるんじゃしゃあないか。
って、クリスタル攻略の全権をケイロニア軍に委ねておいてまだまだやることがあるってどうなんだ？
ってゆうか、いくらグインとはいえ、ケイロニア軍をどうしてそこまで信用する？
さらに、「俺のせいじゃない！誰もナリスが死ぬとは言わなかった！」と狼狽するイシュトヴァーンはどうなんだ？
状況でコロコロ性格が変わる多重人格者だからしゃあないってこと？
そんで、そんな行動でしか後悔できないのだ、と弁解してあげるグインはどうなんだ？

あとがきによると、作者はナリスを殺す気はぜんぜんなかったらしい。というか、この巻で死ぬとは思っていなかったらしい。
でも、第3話のナリスが死ぬシーンになったとき、ああ、これがナリスの運命なんだなって思ったんだって。
いや、自動書記だかなんだか知らないけど、それって、伏線も設定も関係ありません、すべては登場人物の運命です、行き当たりばったり、その場のノリで書いていますってこと？

ところで、考えるだけ無駄なんだけど、ナリスが死んだのはいつなのか？
単純に、ドリアン誕生と同時期としよう。
そうすると、アムネリスの妊娠発覚が、64巻「ゴーラの僭王」でイシュトヴァーンが王になると予言された魚の年の紫の月（4月）ごろ（本文では紫の月、魚の10日？）である。
妊娠発覚が、何か月目かで違うんだけど、まぁ、3か月としておくと、ナリスが死んだのは、それから7か月後ごろ。
つまり、年が変わって（中原では1年は10か月）、山羊の年、白の月（1月）ごろということかなぁ？
参考　グイン年表（あまり自信なし）

とりあえずは、今後ナリスの残留思念とか出てこないこと希望。

2002/12/15更新