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夢魔の王子

グインサーガ89
夢魔の王子
―THE SAPLING OF SATAN―

ナリスと殉死者の棺を運ぶ列は、ゆっくりとサラミスを目指していた。
グインはクリスタルへと軍を進めるが、ダーナム近辺でゼノン率いる金犬騎士団と、ベック公率いるパロ軍2万と戦闘に入る。
パロ随一の名将ベックの率いる軍勢だけに苦戦が予想されたが、パロ軍の動きに精細がないと見たグインは、100騎だけをつれて前線に突入し、ベックを捕らえることに成功する(マジかよ・・・)。
指揮系統が崩れたパロ軍は総崩れとなり、前哨戦はケイロニアの圧勝に終わる。
ヴァレリウスの見解により、ベックには魔の胞子が埋め込まれており、ヤンダルゾック側の勢力によって操られていることが判明する。
そこへ、カラヴィア公アドロンが3万5000の騎士団を率いてグインに協力すべく駆けつけるのだった。
また、イシュトヴァーンが1通の手紙を携えてやってくる。
それは、レムスから送られてきたものであり、手紙に秘められた暗号によって、催眠術をかけられていたイシュトヴァーンを操作しようとするものだった。
グインは、イシュトヴァーンを操ろうとするレムス側の作戦を逆手に取る作戦を思いつき、イシュトヴァーンをクリスタルに先行させることにした。
夜。グインの元に、パロの王子アモンが現れ、人間に味方するグインの愚かさを説いて闇に消える。
グインは、魔道との戦いを強く意識するが、事実、ダーナムでは、竜の門と呼ばれる竜頭の巨人たちを交えたパロ軍が待っていた。
激戦(?)の末、パロ軍を討ち破ったケイロニア軍だったが、予断を許すことはできない。
ヴァレリウスによれば、戦死者たちがゾンビーとなって蘇った場合、竜の門は最強になる。
グインは、戦死者を火葬にしながら、生者を操り、死者を冒涜するヤンダルゾック、アモンを討ち破る決意を強めるのだった。

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毎度ながら、ただ強いグインはどうなんだ?
もうちょっと戦略とか智略とかってのはないのかなぁ・・・
いきなり敵陣に突っ込んで、ベック捕まえるのってどうなのさ?
地の利がどうのとか、幾重にも砦を築いてとか、補給がどうのとか、陣を展開してとか、なんかそれっぽいストーリー展開ってないのかなぁ。
毎回奇襲か力押しだもんねぇ・・・いい加減、そうゆうの期待するなって?
ああ、以前あったね、ナリスの生み出した智略。夜中の戦闘で、味方の背中に夜光塗料塗っておくやつ・・・

んで、やうやう登場してきたカラヴィア公。
なかなかの美丈夫で口を開けば言いたい放題の皮肉屋。って、昔のスカールのような、かつてのヴァレリウスのような。
そんでアモン。
生まれたばっかりなのに、もう10歳ぐらいの見た目になっている。
16ぐらいまでなるんだろうけど、そのぐらいで見た目の成長は止めるんだろうなぁ。作者の趣味で。
とってつけたような美少年で、闇だの魔道だのって雰囲気だけは怪しさ満載。
うーん、ユリウスも登場当初はそんなだったよねぇ・・・
出すぎて目立ってきたわりに何もできなかったまま消えそうなヤンダルみたいに、口先だけのキャラで終わらなければいいけど。

さて、あとがきによれば、まだまだ続くグインサーガ。
「七人の魔道師」の時代に入るわけで、とか言っているけど、どんな時代に入るんだ?誰もヤンダルを知らない時代?さっぱりわからん。
今のパロのゴタゴタの後何が待っているのか、レムスは中興の祖になっちゃうの?グインはケイロニアを捨てるの?どこをどうつじつまを合わせてゆくんだろう?
どうするつもりなんだ栗本、ある意味すごい楽しみである。

2003/04/13更新