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グインサーガ105 風の騎士 ―THE MASKED MENACE― |
マリウスから仮面の騎士たちのことを聞いたグインは、ガウシュの村の様子を見に行くが、村人の姿はなかった。隠れていた少女を見つけて事情を聞くと、村人たちは光団によってどこかへ連れて行かれたという。人馬が通った跡を探りながら彼らの後を追うグイン。やがて「クレアの泉」と呼ばれる泉にたどりつき、村人と光団の姿を見つける。光団を束ねる風の騎士は、フロリーの正体に気づき、彼女を探していた。フロリーを探しに行っていた部下が戻り、フロリーを見つけたが正体不明の騎士によって邪魔されたことを告げる。風の騎士は何名かの部下を連れて急いで村へ向かうと、家に火をつけさせた。燃えている村を見て心配になったフロリーが現れる。フロリーは風の騎士に捕まり、スーティの居場所を問われる。風の騎士こそ、アムネリスを信奉し、イシュトヴァーンを憎むアストリアスであった。そこへ、フロリーの危機を察知した女騎士が現れる。彼女は、アストリアスの部下の報告にあった正体不明の騎士で、スカールを探すためにパロを後にしてきたリギアだった。さらに手助けに登場するグイン。アストリアスは、グインの姿を見ると逃げ去るのだった。
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2005年12月、グインサーガを100巻まで売っちゃいました。
スーティ、イラストを見る限り2歳半には見えないんだけど。「知らないものが見ればもう四歳児くらいには充分にみえる(p.32)」だそうです。なるほど。
光団に拉致された村人たち。老人は用なしということで解放され、泉から村へ戻ってくるんだけど、一晩歩いても村まで帰って来れない(p.207あたり)。じゃぁ、どうやって泉まで行ったんだよ・・・・・・もう読んでいてイライラする(笑)
グイン。フロリーの小屋から湖を迂回して走って村まで行って、村中走り回って村人探してクレアの泉へ行って、馬をかっぱらったりしながらも森の中を走って村へ戻って湖を迂回してフロリーの家に帰ってきてちょっと疲れたって言って保存食だの干し肉だのを「かたっぱしからたいらげ」て(p.187)、シャワーも浴びずフロリーのベッドにもぐりこみ、瞬間的に眠りにつくって・・・・・・バッテリー切れた?
「小屋に何者かが近づいてくる気配がちょっとでもきこえれば、自分がさとく目をさますことはわかっていた。どれほど泥のように疲労していても、そのような点については訓練されているらしい、ということも、グインにはわかっている。そのまま、グインは、前後不覚に眠り込んでしまった」(p.188)
訓練されているけど前後不覚に寝ちゃう、ってどういうこと?
んで、起きて村へ行って泉のほうへ向かって村へ戻ってって・・・・・・光団よりも速く、馬よりも速く、あっち行ったりこっち行ったり、走る走る走る。いくら強靭とはいっても無理ないか?
って、今回はあっち行ったりこっち行ったり。なんでそんなことしているのかよくわからない。
というか、光団はこんな山の中で何をしようとしているんだ?食料やら物資を調達したいのなら村にいればいいじゃん。なんで村と泉を行ったり来たりしているのだろう。しかも首領自ら・・・・・・。
んで、グイン。じい様がムチ打たれてたら(ヒントン爺さん顔怖すぎ p.127)有無を言わさず助けんじゃないの?99巻では、ケス河対岸で起こっている事件のために河を渡ってまで助けに入ったのに。さらに、フロリーが風の騎士に捕まったときだって、いつまでも様子見してないでさっさと助けろよ。
さて、風の騎士様は予想通りアストリアスだった。彼は5年ほど地下牢で虫とか食べて生きながらえていたらしい。ナリスは彼のことをずっと忘れていて、地下牢にほったらかしにしていたんだとさ・・・・・・作者が忘れているのかと思ってたよ。
そして、マルガ陥落と同時に脱出し、商人に助けられて半年ほど療養。モンゴールに帰ってきて、かつての部下ポラックや家臣、女官たちに再会。これまでのいきさつをいろいろ聞いたらしい。それにしても昨今の事情に詳しすぎ。後になって、助けた商人が実はグラチウスだったのだーとかってのは、もうやめてくれ。
アストリアスは語る。「諸国漫遊の吟遊詩人、そのなかに、ある非常に身分の高い、さる国の王子がいるとな(p.246)」ってそんな噂まであるのかよっ。しかも、マリウスを見た評価が「なかなかに人品骨柄、卑しからぬ人相風体に見えた」ってマリウス、バレバレじゃん。
ってなぁ、せっかく出てきたアストリアスだけど、魅力に乏しい。光団だの風の騎士なんてネーミングセンスもいただけない。ナリスやヴァレリウス、マリウス、イシュトヴァーンを恨むのはわかるけど、ここまで復活してきた経緯に説得力がないというか、商人に助けられて昔の仲間に会ったのだ、ってセリフで片付けられてもなぁ。だいたい、偶然(?)やってきた村でちょっと見かけた女をフロリーだって見破るか?普通。後になって、実はグラチウスにその村へ行ってみろと言われたのだー、とか言うなよ・・・・・・。しかもその女に子供がいると聞いて、イシュトヴァーンの子供だと見破るか?普通。後になって、実はグラチウスに・・・・・・(以下略)
そんで結局しゃべるだけしゃべって、現れたグインの姿見たら捨てセリフ残して逃げちゃうし。
ずっと気になっていた伏線のひとつ「鉄仮面の男はどうなったんだ」ってのが解決したのに、この感動のなさはなんなのだ・・・・・・もうちょっと応援したくなるような悪者って出てこないのかなぁ。
んでリギア。ナリスが死んだころからぱったり出てこなかったので、どうしてたんだろう、と思っていたけど、リンダ残してパロを出てきていたらしい。パロの家臣なんて残っていないんだから、リンダのこと助けなくちゃいけないんじゃないか?ナリスが死んだからスカール探しに行きますって・・・・・・しょうがねぇなぁ。
んでもこの後どうするんだ?スカールはイェライシャと一緒にいるはずなので、グインが呼べば会えるだろうけど・・・・・・。都合悪くイェライシャと連絡取れないとかグインが言い出して、じゃぁ、グインと一緒にいればスカールに会えるだろうからお供します、とか言い出すのかなぁ。どの面下げてパロへ行くんだろう。
って、フロリーにアストリアスにリギア、グイン、マリウス。それまで名も知られていないような小さなの村に集まっちゃって何やってたんだか。
んで、次からは、格好良くてお歌の上手なマリウス、萌え〜なフロリー、やんちゃでかわいいスーティ、強くて綺麗なお姉さまリギア、そしてマッチョなグイン一行のハラハラドキドキ冒険活劇になるのかなぁ。
んで、103巻の最後でグインがスカールと別れてから10日ほど経っているらしいだけど、ヴァレリウスはどうなったんだ?どこかへ行ってしまったグインのことをゼノンたちになんて報告したんだろう。まさか、黙ったまま捜索しているってことはないよね?(笑)
2006/01/11更新
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以下、2006/1/15追記
ハヤカワのサイト、2月発売予定のタイトル予告より。
■2月上旬JA
■『ボルボロスの追跡』
■グイン・サーガ106
■栗本 薫
■グイン一行をつけねらう影とは? さらわれたマリウスとスーティを捜す大追跡が始まる
またマリウスはさらわれるの?
栗本薫ネタに困った時のお家芸「嘘の死」「記憶喪失」「行方不明」・・・・・・もっと効果的にというか、なんか必然性が感じられないというか、創作物語に必然性を求めるのもどうかと思うけど、あまりにも短絡的に感じるというか、これの繰り返しじゃん・・・・・・。