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グインサーガ107 流れゆく雲 ―DRIFTING DESTINIES― |
レムスに再会したリンダは久方ぶりに予知をする。
「豹頭王は無事でいる。――そして、ほどもなく近くにやってくるだろう。・・・・・・そのとき、またあらたな時代がはじまる。――廃王は長い時を隔ててふたたび王の冠を額にいただくだろう。だがそのときには――そのときにはパロスの支配は夜の時代を迎え、そして――そして最後のサーガが始まるだろう・・・・・・闇の王子と光の王子がたたかい、どちらが勝ちをしめるかにより、最後のサーガは暗黒のサーガとなるか、光のサーガとなるかが定まるだろう。――吟遊詩人に注意せねばならぬ。彼は重要な鍵にほかならぬ。・・・・・・彼は、光と闇とをそのからだで結ぶ。――光の王子を守ってやるがいい――それはあるいはパロスをさいごの滅亡の災いから守ってくれよう・・・・・・」
そして、自戒し、死刑さえも受け入れようとするレムス。リンダは、孤独に苦しんできた弟を理解し、血を分けた姉弟としてすべてを許すのだった。
ケイロニアには、グインの捜索に失敗したゼノン一行が帰国。
ヴァレリウスとヨナもパロに戻る。
また、ゴーラにはイシュトヴァーンが戻り、カメロンと再会。
「昔約束した女のために王様になるなんてんじゃなくてさ。俺自身のために、本当に、強くて尊敬される、正しい王様になりてえんだ!」
ゴーラを中原各国に認められる立派な国家にすると意気込むイシュトヴァーンの姿に、カメロンは驚くのだった。
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■ナリスの死から半年だって(p.116)。
■「サイロンはすでに深まりゆく秋を迎えていた(p.255)」とあるけど、104巻のモンゴールは春っぽかった。あれ?
■リンダにとってナリスの死は、「しょうがないこと」になった(p.190)。
■レムスの王位継承権は正式に剥奪されているらしい(p.219)。ってことは聖王と呼ばれることはないか。
■リンダの予言はもっともらしいけど中身は薄い感じ。だいたい、「闇の王子と光の王子が戦い、どっちが勝つかで未来が変わる」って言っているけど、どっちが勝つのか予言してくれ。
解釈としては、こんな感じ。
そのうちグインがやってくるよ。リンダと再会して話がひと区切りするけど、まだ終わらないぞ。グインがケイロニアに帰るかどうかとか、ゴーラがどうのとか、スーティどうするとか、ダラダラ続くのだ。でもまぁ、最後にはいろいろまとまってグインはランドックに帰る。んで、グインがいなくなっちゃったらパロは闇王朝へと突き進み、一方でドリアンとスーティが戦うことになるかなぁ。この二人の戦いは、どっちが勝つかはわからない。でも、スーティを助けた方が良いよ。んで、実はマリウス重要。二人の知り合いだから。
マリウスは107巻時点ではドリアンに会っていないけど、そのうち会うんでしょう。ってゆうか、マリウスの子供であるマリニアをめぐってドリアンとスーティが争うことになるってのもあるか。安直な展開だけど可能性高いなー(笑) というか光の王子がドリアンで、闇の王子がスーティって可能性もあるか? どちらかというとそっちの方が理にかなっているような気がする。ただ作者様が気に入っているのがスーティってのがなんとも。
この辺の話は、グイン後伝で語られるんだと思うけど、実現するのかどうか。個人的にはどうでもいいです。いや、気になるけど、今の話をちゃんと終わらせてくれないと困る。でも作者はその辺の話を書きたくてウズウズしている気がするし、外伝みたいにいきなり書き始めちゃったりしてね。
■んで、レムスは、ヴァレリウスからではなく姉から死刑宣告されたかったらしい(p.194)。けど、死刑にされないと知った途端、塔から出してくれ、できたらマルガにでも隠居させてくれって(p.208)、虫が良いなぁ。
■リンダは大幅に減っていた聖騎士を増員したらしい。「平民出身でも業績しだいで聖騎士たりうる、という改革をおこない(p.91)」って、パロの軍人ってなんなんだ?貴族階級だと思うんだけど、だとしたらたぶん税金は払っていないだろうから、そりゃ、みんな騎士になりたがるだろうなぁ。
■ベック公ファーンは生きているらしいけど、「とてもよくない」らしく「アルミナのほうが、かえって落ち着いている(p.221)」らしい。
■ヴァレリウスのレベルは上がったらしい。「イェライシャの白魔道と、グラチウスの黒魔道の双方をかいま見て、一気にふたケタ以上の魔動力の上昇は確実(p.289)」だそうです。へぇ。
■ケイロニアでは、さらりと捜索隊が帰国したけど、ヴァレリウスがなんて説明したのかイマイチよくわからない。p.237の記述よれば、グインがいると思って行ってみたらスカールがいて、さらに、「スカールは《ドールに追われる男》イェライシャ、と名乗るあやしい魔道師に連れ去られ、そしてイェライシャとのあいだにどのような話があったのか、同行していたヴァレリウスに強くすすめられて、かれらはもうこの上グインの行方を追い求めてもいまは無駄であることを悟って、すごすごと帰国の途につかされたのだった」って。ゼノンもトールも決死の覚悟で捜索に向かったと思っていたのに、なんかよくわからない理由であきらめてるじゃん・・・・・・。
■カメロンの直接支配下にあるドライドン騎士団の総数は、「当初の数十人に何倍する、二千人近くにも及んでいる(p.17)」。ってそんなにでかくする必要があるのかな。って、「カメロンは自ら詳細に面接して、傭兵を募集し、次第にドライドン騎士団の人数をふやした(p.16)」らしい。なんだ、ほとんどは傭兵なのか。
■ゴーラ。イシュトヴァーンは「五千の大軍を率いての帰還(p.257)」とある。そして、「健康な軍隊が馬を使ってとまったくかわらぬ、ほぼ十日たらずの旅程で、強引にトーラスからイシュタールへの中原横断をなしとげた(p.258)」らしい。トーラスからイシュタールは5000の軍隊が馬で10日の距離って、何キロぐらいってことだろう。
■財源について「新しいガティの収穫があれば、農民たちから一応これまでどおり、というかたちで年貢のとりたてはできる(p.282)」だって。中原って貨幣経済が発展しているようだけど、少なくともゴーラは年貢の取立てらしい。どうゆうことだろう。兵士の給料がどうの、軍に持たせる金がどうのっていっているんだけど、実は現物支給? それとも年貢ってお金のこと? 「イシュタールの貿易のほうはけっこう順調だ」とか「ゴーラの経済の中心はすみやかにイシュタールに移っている」とか、なんかそれっぽい言葉は並んでいるけど、なんかよくわかならい。イシュタールがどこと貿易しているの? ゴーラの経済の中心ってのはモンゴールやクムを含んだゴーラってことでいいのかな? なんか政治っぽい雰囲気だけ楽しめばいいじゃん、という意見もあるかもしれないけど、適当に書かれてあるものを読むぐらいだったら書いてないほうがいい。パロもゴーラも逼迫財政、財源確保が急務みたいだけど、そうゆうことに触れないほうが良いのでは。書けないんだから。
■イシュトヴァーンは「立派な王様になるぞー」とか言っているけど、もう何回も聞いた気がするのは気のせい? それに、作者様によると、彼は状況でころころ性格が変わる人格らしいので、もう期待しません。
■ヤンダルは何やってるんだ?
■フィギュアとかブックカバー、トレーディングカード、マウスパッドなんかを詰め込んだオリジナル商品を、受注生産で発売するんだそうだ。1万500円、いらねぇー。
2006/04/16更新