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パロへの長い道 グインサーガ108
パロへの長い道
―THE PATH TO PERPETUAL PARROS―

ゴーラ兵の追っ手から逃れるため街道のわき道にそれたグインたちは、森閑な古城にたどりつく。
様子を怪しむグインたちだったが、城主コングラス伯爵の厚いもてなしを受け、しばしの休息を得る。
その夜、寝ていたはずのマリウスやフロリーの姿がないことに気づいたグインは城内を捜索。マリウスたちは棺のようなものに入れられていた。
そこへ現れるコングラス伯爵。伯爵は自分たちの素性について話し出す。
彼らははるか昔にこの地にやってきた宇宙人であり、永遠に近い命を持つ種族であった。
そして、マリウスたちが寝かされている棺は特殊なもので、城内と外界とは異なる空間になっているため、通常の人間はその棺に入っていないと生きていることができないのだという。
伯爵に敵意がないことを知ったグインは、彼との談話に付き合うのだった。

そして翌日。何事もなかったように起きるマリウスたち。
一行は伯爵の用意してくれた船でカムイ湖を渡り、クムの都ルーアンへ。
宿に入るが、そこへ見回りのクム兵がやってくるのだった。

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■なんというか、だからどうした、という話。
意味ありげな古城を出しておいて、タネを明かせば宇宙人の館。彼らは長生きで孤独。寂しいから話を聞いてくれよ、グイン、ってゆう巻。今後ストーリーに絡んでくる様子はない。
あとがきによると、今回の話は、栗本の別の作品への「オマージュというよりメモリアル」なんだそうだ。
「ある一部の皆さんには『懐かしい』ないし、もしかしたら『あっと驚く』かたもおありなのではないか、と思ったりします。それについては、あまりここでそのことをいうのは、『そうでないかたたち』のほうが多いと思うので、申し訳ない気もします」って・・・・・・そんな風に書かれたら気になるじゃん。
ということでちょっと調べてみたら、どうやら昔作ったミュージカル「ヴァンパイア・シャッフル」(96年)とかいう作品のことらしい。知らねー。
■伯爵は「二千年近い昔にはるかな宇宙から飛来した生命体」(p.191)らしい。でも後半読んでいくと、グインがかつて星船を落とした以前、カナン滅亡以前からいたような感じだけど・・・・・・あれらって3000年前とかでしょ? どうなってるの?・・・・・・テキトー?(笑)
伯爵たちは原住民に火を起すことや空を飛ぶ技術を教えた(p.195)らしいけど、それが彼らがやってきた2000年前なの?
■カイザー転移というのは危険だから、「やがて完全に禁止されるにいたった」(p.191)らしい。
■この惑星の環境下では長命を維持できない(p.195)らしい。じゃぁさ、長寿が孤独で嫌なんだったら城の外に出て行けばいいのでは? というか伯爵はグインに対し、「あなたとても、長命族の一員です」(p.202)といっている。ってことはグインもこの惑星の環境下では長命じゃないってことでしょ? なのに最後に、いつかまた来てくれ。何千年でも待ちますよ。そのときグインは長命による孤独を知っているかもしれないけど、なんていっている。矛盾してるんじゃないの?
■グインの脳は、伯爵たち同様、マザー・ブレインとかいうものにコントロールされている者の脳らしい。んで、城にあるホスト・ブレインを使えば、記憶を整理して再構成できるらしい(p.209) グインは断ってたけど、やってもらえばグインサーガも無事完結を見ることができる?
■途中で出てきた使用人みたいな人たちは、もう300年も500年も前の人間なんだそうです。1000年生きてきたとか、はるか昔の壮大な、とかもう飽きました。
■さらにあとがきによると、次からはしばらく「水の都編」で「観光絵巻」が存分に楽しめるらしい。うれしくて泣けてきます。109巻とか110巻にきて、今更!中原の観光案内ですよ。111巻はキリ番だからなんか記念にやりたいんだって。やってくれやってくれ(笑)

2006/06/12更新