8.自重

 

今回は、旅客機の重さについて少し考えてみましょう。
ここでは燃料、乗員、機内サービス品等を含まない純粋な機体の重さである自重を取り上げます。
自重ベストスリーは、いずれもボーイング社の旅客機となりました。
順 位 機 種 自 重
第一位 ボーイング747−400 182,755kg
第二位 ボーイング777−300 157,215kg
第三位 ボーイング777−200 138,120kg
第一位の747−400は、言わずと知れたジャンボです。777はトリプルセブンと呼ばれる飛行機
で、200と300の違いは全長が10 m 程 300の方が長く、これをストレッチタイプと言います。
 
ここで第一位の747の自重について考えてみます。
たしかに約183 t (トン) ありますので、かなり重いという感じがします。
 
それでは、この747を長さ 10 cm に縮小するとその重さはどの位になるか計算してみましょう。
 
ボーイング747−400は全長が 70.7 m ですから、縮尺は707分の1になります。
すると、長さ 10 cm に縮小した時の重さは、次の様な計算で求めることができます。
 
182,755,000 (g) ÷ (707 × 707 × 707 )
 
この計算の結果は、なんと 0.517 g になってしまいました。
 
一円硬貨が 1 g なので、10 cm の飛行機の重さは一円硬貨の約半分の重さになるという事にな
ります。
 
ですから、よく ”あんな鉄の塊が、なんで空を飛ぶの?” なんて言われる飛行機ですが、本当は鉄
の塊なんかじゃなくて、プラスチックモデルよりもずっとずっと軽く造られているのです。
 
実はこの話を本で読んだ時に、一瞬計算が間違っているんじゃないかと思ったのですが、やっぱり
間違っていませんでした。

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