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発音の違い−英国式をマスターしましょ


アメリカ英語が中心の日本にいると、耳にするのもやっぱりアメリカ英語が中心。しか〜し!日本人にとっては、イギリス発音の方が易しいはず!だって、カタカナに近いんですもの^^。ただ、イギリス英語はあまり口を大きく開けないで発音することが多いから、それが聞き取りにくい、という人もいるかな。

人によって好き嫌いもそれぞれですが、わたし的には、イギリス発音の方が「美しい」と思う次第です。(米語は濁って聞こえる。)エレガントに響かせたいなら、やっぱり英国式を身に付けなくっちゃ♪


基礎編 |"R"| "T" | "O" | "Cat"の"a"|
中級編 | 語尾の"I" | "E" |"No"の"o" |
上級編 |"L"|


発音ページ製作にあたって、『イギリス英語で学ぶ英会話』 の Chikashi さんから、メールでいろいろアドバイスいただきました!本格的に学びた〜い、という方は、ぜひぜひこちらでお勉強くださいませ。とっても専門的で、オススメです♪


基礎編


“R”の発音

まず、とりあえず違いが顕著なのが“R”の発音。英国風に発音するためには、決して、決して舌を巻いてはなりませぬ(笑)。アメリカ英語のRはすべて発音されますが、イギリス英語では、Rの発音は母音の音に変化します。分かりやすく言うならば、「Rは無視してよしっ!」(単語の先頭のR、または母音で始まる単語の前のR以外)。

つまり、here は(英)ヒァー(米)ヒヤー、there なら(英)ゼァー(米)ゼヤー、yourが(英)ユゥァー(米)ユアーと聞こえます。大げさに言っちゃうと、イギリス発音では care は「ケー」、door が「ドー」みたいなもん。


もうひとつ!girlの発音、学校で「ギャール」と習いませんでした? bird や earth なんかも同じで、「暗いR」とか「こもったR」とかいうやつ。日本人がニガテな発音ですけど、いいの、これ発音できなくて(笑)。アメリカ英語の特長的な発音で、イギリス人が嫌がる音ですよね。イギリス式では、軽〜く「ガール」でよいのです。(上あごと舌あごの間をかなり狭め、「オー」と「エー」を同時に発音するように。


“T”の発音

イギリス英語では、母音の間の“T”をはっきり発音します。これは、アメリカ英語だと、“D”の音、もしくは弾音(あえていうなら「ラ」の音。声を出しながら舌をはぐきに一回だけたたきつける)になります。letter なら(英)レター(米)レダー、better は(英)ベター(米)ベラー、water なら(英)ウォーター(米)ワラー って聞こえます。

「“T”をはっきり」って言いながらいきなり矛盾しますけど・・・、“T”が抜けちゃう発音もあったりするんですよね〜^^;。「つまった感じの音」・・・言うなれば、小さい“ツ”が入る音。なんか、音がやったらはねてるの^^。letter や better は“le'er”や“be'er”という感じ。これは、コックニー英語エスチュリー英語(の特長だそうで、イギリスでもけっこう広まっているとか。

イギリス英語では、「ツァー」とか「ツィー」とかいった「ツァ行の音」も多いですよねぇ。大げさに言うと、tea は「ツィー」、It is が「イツィ・イズ」。やりすぎると、なまってしまいますが^^;。

ツァーツァー聞こえたら英式、ダーダーとかラーラーとか聞こえたら米式(笑)。



“O”の発音

イギリス英語の“O”は「オ」でいいの。なんて素直♪イギリス英語の「オ」は、アメリカ語では大口の「ア」になることが多いのです。つまり、hot は(英)ホット(米)ハット、 box では(英)ボックス(米)バックス、といった感じ。

日本語の普通の「オ」を多少「ア」の方に寄せたよういな響き。くちびるの丸みを伴う。
日本語の「ア」より口を大きく開き、舌先を後ろに移して、口の奥の方から発音。アクビの大口をイメージ。



“Cat”の“a”の発音は?

さあ、“cat”“apple”を発音してみましょう。「キェアット」「ェアップル(ルよりはゥかな)」になる人は、アメリカ発音より。この は「アとエの間の音」とか言われる音で、これまた米語の特徴的な音、イギリス人は今ではあんまり使わないとか。イギリス英語では、普通に「ア」なので、「キャット」「アップル」でよいのです。英式の方が、簡単でしょ♪
イギリス発音を身につけたいなら、Canを「キェアン」と言ってはなりませんっ。



中級編


語尾の“I”

単語の語尾にくる“I”の音は、イギリス英語では「イ」にちょっぴり「エ」が混じります。イギリスでは、Emiという名前を呼ばれるときは (おおお、本名初公開(笑))、「エミ」よりも「エメィ」って感じで。しょっちゅう出てくる“tea”も、「テェィ」と、“movie”は「ムーヴェィ」、“me”は「メィ」と聞こえます。-lyで終わる副詞は、「レェイ」と聞こえる。たとえば、lovely だったら、「ラヴレェイ」ってね。
やりすぎると、なまって聞こえるかもしれないので、ご注意^^;。

※[I] は、[i] と [e] の間の音



“E”の発音

red、said、pen、get、egg といった“E”「エ」の発音は、イギリス式なら「イ」の音が混じります。一方、アメリカ式だと「ア」が入ります。

日本語の普通の「エ」を、少し「イ」のほうに寄せた響き
日本語の普通の「エ」を、多少「ア」の方に近づけた響き


逆に、rain のような の発音では、イギリス英語なら[e]「エ」が「イ」より「ア」に近くなる傾向があります。 に近い感じ。極端に「ライン」とまで「ア」を強調するとコックニーなまりになってしまいますので、お気をつけまし♪



“No”の“o”の発音は?

No、most、note、sold といった単語で、アメリカ英語の の発音は、イギリス英語では となります。この、e をひっくりかえしたようなへんてこな発音記号 は「あいまい母音」と呼ばれ、「オ」よりもずっとあいまいな音、そんなに口を大きく開けません。これって、イギリス英語が口をあまり空けない理由のひとつですかねぇ。
カタカナで書くのは難しいのですが、あえて挑戦すると・・・ note(英)ノート(米)ノウト・・・こんな感じ^^;?
さらにさらに、イギリス人の中には、 と発音する人もいて、ここまでくると「ネェウト」。むむむ、ここまでニャーニャーいうのは、あんまりエレガントではないですねぇ(笑)。

上下のアゴを閉じ気味にして、舌、くちびる、ほほから力をぬく。日本語のア、イ、ウ、エ、オのどれともとれるような、不明瞭な母音。(何じゃそりゃ!)

※「No frills」 さんから、分かりやすいアドバイスをいただきました。つぶやく時の「う〜」と「あ〜」の間、「あ〜、かったるぅい」の「あ〜」らしいです。なるほど(笑)。



上級編


上級なんていうと、まだまだ他にもあるとは思うんですけど、とりあえずコレ♪

“L”の発音

実は、“L”には、「暗い [l]」と「明るい[l]」の2種類の音があるのです。“R”と“L”の違いだけでも大変ですのにねぇ^^;。音に明るい、とか暗いという言葉を使うのはおもしろいですよね。
アメリカ英語では、ほとんど「暗いL」のみが使われ、イギリス英語では「暗いL」と「明るいL」の両方が使われます。 イギリス英語では、語末と子音の前では「暗いL」、その他は「明るいL」が使われます。


暗いL 舌の位置が後ろの方で、「ウ」や「オ」に似た響き。
舌先を、上の歯ぐきにつけて発音しますが(歯うらに舌先が触れてもよい)、一点で触れさすつもりで、舌先の触れる範囲を小さくします。
アゴは少し開きぎみで、舌先は上を向くように。
アメリカ英語はほとんどこっち。
イギリス英語では、語末と子音の前では「暗いL」。
例) belt (子音の前)、bell (語末)
明るいL 舌の位置が前の方で、「イ」に似た響き。
こちらも、舌先を上の歯ぐきにつけて発音しますが、舌のヘリを、上の歯ぐきに添うように右奥のあたりから左奥のあたりにかけてずっと触れさせる。舌を横から見ると、前の方が高い位置になるような感じ。
上記以外のイギリス英語。light、lot、long、look、lie、lean、learn など

※またまた、「No frills」さんからの、分かりやすい説明をご紹介。語の先頭ではっきり「ル」っぽく聞こえるのが「明るいL」(lightなど)、語の途中で後に強勢のある母音がなく、「オ」みたいにも聞こえるのが「暗いL」。Micheal が「まぁいけ〜お」となるのは、「暗いL」というわけ。

ここで、ひとつ興味深い話を。アメリカの俳優さんがイギリス人の役を演じるときに、この「明るいL」を使用しようとします。しか〜し!間違って、語末と子音の前でもやみくもに「明るいL」を使うと、かえって「うわ、発音おかしいやん。アメリカ人?」とバレバレになってしまうとか。
よく出てくる “Well....”の L は、イギリス英語でも「暗いL」、ここにあえて「明るいL」を使うと、「うわ」ってな話になってしまいます。

ちなみに、イギリス英語では、climb、clear など [kl] で始まる語においては、実際には [k] の変わりに [t] が使われたりします。『“T”の発音』でも言いましたけけど、やっぱりイギリス英語は“T”の音が好きなのね〜。



<注記>
発音についてはわたしも未だ勉強中です〜。えみーるレベルの(笑)わかりやすさを主眼においたので、はしょったり、おおざっぱまにまとめたところもありますので、ごかんべん!

もっとちゃんと知りたい!という人は、以下のサイトでお勉強ください♪
英語と米語の発音などなどいろいろ情報のつまった、Ladefoged 教授の HPページでっす。
英語だけど(笑)。
http://hctv.humnet.ucla.edu/departments/linguistics/VowelsAndConsonants/

「General American and British English Vowels」が聞き比べられるのはここ