がんばれいそげたつなりくん
−京都駅− 4

お邪魔亀ガメラを追い出して、ついに綾奈と涙の対面を果たしたイリス。

いつもより多く光っております!

一方、人目もはばからず見つめあう怪獣と少女を、コインロッカーの陰から巨人の星の明子姉ちゃんのごとく熱く見つめる少年がいた。

そう、彼こそが、おそらく観客の約半数がその存在すら忘れていたであろうこの映画のもう一人のメインキャラ、守部龍成くんその人であった!

というわけで、龍成くんが綾奈を見つけた時に身を隠していたコインロッカーを発見。中央コンコースの、みどりの窓口の前にあるロッカーっす。

龍成くんが、東福寺からどういうルートで京都駅に辿り着いたかは謎っすけど、おそらくは火の海になった駅南部を避けて、京都駅東側の陸橋、通称「ラーメン屋橋」を渡って駅ビルの東側に辿り着いたんだと思うっす。そう考えればこの立ち位置も納得。

ちなみに、大迫が伊集院光に逮捕されるあのシーンを撮影したのは、実は東京駅近く。京都の町中を避難する人々を撮影したのも、本当は佃島だそうっす。

龍成くんのいたロッカーから、綾奈のいる室町小路広場の方を眺めるとこうなるっす。この距離で綾奈を見つけることができるなんて、目がいいな龍成。それとも愛のなせる技か。

しかし、二人の間を隔てるイリスの巨体。南側の駅構内はガレキの山、火の海。北側の駅前広場にはガメラが大の字になってのびてる。綾奈の許へ行く術のない龍成くん。

しかし・・・

ふと上を見上げると、一条の空中通路が。

室町小路広場へ駆け上る綾奈のシーンといい、実に見事な必然性の持っていき方。もし架空の建物でこれをやったら「御都合主義」と怒られるっすけど、実在する建物でこれが実際にできるのだから京都駅は凄い。ていうか建物自体が御都合主義(^_^;

ただし、この通路に上がろうと思ったらまずは思いっきりイリスのいる方にダッシュして、イリスの足下からエスカレーターを駆け上らないといけないっすけど。本編ではそのへんは上手くごまかしていたっすね。

ガメラ展の開かれていた東広場(広場といっても8階)を通り、エスカレーターを一気に駆け上れば空中通路だ! 映画では左半分にイリスの背中が覗いていました。

普通は十数階のビルを一気に駆け上る人間はいないっす。若いのう。

空中通路の西側の出口は大階段のかなり上。伊勢丹の10階へ抜けるつくりになっているっす。

空中通路は、実は室町小路広場の真上で大きく南に折れて、大階段を横断する形で伊勢丹10階南ブロックのフードパークへと続いてるっす。しかし、このブリッジ部分はさっきの屋根の崩落で壊れてしまった可能性もあるので、龍成くんはブリッジの手前から伊勢丹の北ブロックに入り、英会話のNOVAの前を通って大階段へ出たのかも。映画では何となくフードパーク側から出てきたように見えるっすけど。

映画では、大階段の上にあらわれた龍成くんからカメラは大きくパンダウンして、室町小路広場にいる綾奈の姿までをワンカットで写し出します。しかし、実はこれはロケで撮影された大階段の龍成くんと、スタジオで撮影された、ガレキに埋もれた室町小路広場の屋内セットの綾奈という別々のカットを、巧みな編集によって繋いだものっす。

この手法はけっこう古典的で、昔はウルトラマンなんかでよく使われていました。応戦する科特隊から素早くパンして迫る怪獣、みたいな感じで。急速なパンで画面が流れてよく見えない隙に、オーバーラップで二つのカットを繋いでいるわけっす。パンの角度やスピードなど、簡単に見えてなかなか大変な手法なんだそうっすけどね。

大階段の中程のエスカレーター側から室町小路広場を見下ろすと、映画と同じ構図が得られます。龍成くんの目線というよりは、どっちかというと構図優先のアングル。

今まさに結ばれんと・・・もとい、融合せんとしている綾奈とイリス。

どうする龍成?!

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