がんばれいそげたつなりくん
−京都駅− 4.5(番外編)

これまでのあらすじ:脚本家、伊藤和典氏の「恋愛映画」宣言のおかげで、怪獣と三角関係を演じさせられるはめになった守部龍成くん。無茶な設定を呪いつつ、愛する比良坂綾奈ちゃんの許へ急ぐ! そしてついに、室町小路広場へ・・・

 

まさに『卒業』のダスティン・ホフマン状態の龍成くん。

しかし、もはやイリスにラブラブの綾奈のハートを、龍成くんがいかにしてゲッチューできるというのか。なにせあっちの方が背は高いし、目鼻立ちもはっきりしている。収入は不明だが、無限の進化の可能性を秘めて将来性もありそうだ。

まあ強いて欠点をあげれば、やつは外見が海のもの系なだけに、体臭がきつそうだ。だが、それさえもフェロモンとなって魅力倍増、なんてことになってしまわないとも言い切れない。

まさに、隙なしマチュピチュ遺跡

いずれにせよ、魅力が電飾で光り輝いている絶頂のイリスに、平凡なイナカモノ学生に過ぎない龍成くんの勝ち目は、限りなくゼロに近い。

 

・・・・・殺るしかない。龍成くんの目に、妖しい殺意の焔が燃える。

凶器は伝世の家宝・十拳剣(とつかのつるぎ)。柳星鳥を封じる力があると言った、刀自ばあちゃんの言葉が脳裏をよぎる。その青銅の兇刃を忍ばせ、間合いを詰める。

念を込め、渾身の力を込めて剣をイリスに放つ!!

嗚呼、愛の為にどれほどのがこれまでに流されたことであろうか。その悲劇が、今また繰り返されるというのか。必殺の剣は大きな弧を描いてイリスの胸へと飛んでいき、そして・・・

かいん。

剣はアスファルト道路に空き缶を投げつけたような間の抜けた虚ろな音をたてて、いともあっさりと跳ね飛ばさる。

しかも綾奈をかすってやんの。

ダメだ龍成くん。ボケ老人のたわごとを真に受けた時点で、きみは終わっていた。

あまりの脱力感に、イリスの光までもがへなへなと萎える

だが龍成くんはくじけない。ガレキの山を乗り越え、鉄骨をかき分けて、綾奈の許へ走る。幸い綾奈は剣のかすった衝撃で、イリスと二人だけのスィ−トな世界から、現実世界に引き戻されていた。チャンスだ!!

もう少しで剣が綾奈に刺さっていたとこだけど、気にすんな。

事情のいまいち飲み込めぬ綾奈に畳み掛ける、告白の三連コンボ。絶妙のクロージングに心揺れる綾奈。ナイス手ごたえ。

あとひと押し。果てしなくプラス思考な龍成くんは、再び青銅の兇刃を手にし、イリスへと向ける。タマぁ取っちゃる・・・なぁに、奴ぁちょっとガタイがでかいだけじゃい! 『心の広島弁』で人知れず叫ぶ仁義なき龍成くん。

だが、龍成くんの快進撃もここまで。いつまでも黙って龍成くんの横暴を許すイリスではなかった。

毅然と龍成くんをはじき飛ばし、綾奈を懐深く抱き寄せるイリス。

よくやったイリス。女の子はいつだって、ちょっと強引にでも、しっかり捕まえてくれる男の子を待っているものなの(デマ)哀れな敗者龍成くんは、ガレキの山へ落ちて消える。

嗚呼、種族をこえた愛に、幸あれ。

 

「恋愛映画」モード、終わり。伊藤さん、やっぱ恋愛映画にはちょっち無理あるっす(ToT)/)

 

バカなことやってる場合じゃない(^_^;

でも龍成くんが室町小路広場まで来てから、綾奈とイリスが融合するまでは、ロケ地的にはあまり見るべきものはないんす。ほとんどセット撮影だし。

脚本の伊藤和典さんによれば、綾奈を思う龍成くんの無垢な気持ちにガメラが共鳴することで、ガメラが再び人類のことを思うようになる、という構造を目指したそうなんすけど・・・

あの〜〜(^_^; 伊藤さん? 私の観る限りでは龍成くんはガメラが駅前広場に飛ばされてノビたあとでやって来て、ガメラが再び復活してくる時には、今度は龍成くんがガレキの山に飛ばされてノビてるよう見えるんすけど・・・(^_^; どのへんで共鳴したんでしょうか。

まさか、ガメラはとっくに復活してて、駅前広場から三角関係の一部始終を眺めていたとか。何だか入っていきづらい雰囲気に遠慮していただけで。

駅前広場にちょこんと腰掛けて眺めているガメラ・・・か、かわいい(^_^;

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