新たなる野望者 第3章

「女魔法剣士」


△第2章「過去と現在をつなぐ魔法」
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翌日、レパントはレオンを訪ねるためにカレッカに向かった。
一緒に、パーン、バルカス、クレオ、カスミがついていった。
万が一に備えてである。
しかし、行きはいたって平穏な旅であった。
その村は、前にモリスらが行ったときとは全く違った状況であった。
あちこちに家が建てられ、子ども達が楽しそうに走り回っていた。
宿屋をはじめ色々な店が開店され活気に満ちあふれている。
その家々のまわりには、畑が取り囲んでおり、様々は作物が実を付けていた。
カレッカは一時、廃墟と化していたが共和国誕生後、復興作業が開始され再起した村
と評判である。
さっそく一行はレオンの家に行ったが、誰も居なかった。
カスミは、家の中を探してみたが・・・
「居ないようです。」
「うーむ。この戦いに気がついて避けるために姿を消したのだろうか。」
レパントは勝手な解釈をする。
レオンをよく知らないメンバーばかりなので、隠居として通っていた彼ならそういう行
動をとったと思われても仕方がないともいえる。
しかし、それが原因で居ないという訳ではないようである。それはすぐにわかった。
元解放軍メンバーで、現在は復興作業の上に立つブラックマンが
「レオンなら、別に旅に出たとかはないはずだが。
 なにしろ朝はちゃんと居たんだから。たぶん散歩かなにかじゃないのか?」
と言ったからである。
「どこに行かれたかわかりますか?」
レパントが居場所を聞く
「そこまではね。しばらく待ってみたらどうだい?
 さて、わたしは種を蒔きに行かないと といけないからこれで」
ブラックマンはそう言うと、違う畑へ向かっていった。
現在のカレッカは、ブラックマンの趣味が高じたのか農家が多い。
一行はしばらく、宿屋で待つことにした。レオンの家のドアに張り紙をしておいたので
帰ってくれば、ここに来てもらえるはずである。
ところが、すでに3時間が経とうというのにまだ現れなかった。
暇を持て余していたその時、事件は起こった。

「火事だ!畑の作物が燃えているぞ!」

この声を聞いた一行は、外へ飛び出した。
辺りを見回すと、畑のある方向に煙が上がっていた。全員がそっちへと走っていった。
作物などが、全て燃えていた。
さらに辺りを見回すと、そのそばに1人の女性がたたずんでいた。
しかもその女性は燃える作物を見て笑みを浮かべているようだった。
年令は30手前で、戦士に近い格好をしていたが、剣は持っていないようだ。
彼女が魔法使いであれば、犯人は彼女と言って間違えないが・・・
「いったい何者なんだ?」
バルカスがいう。
「誰だかは知らないけどね。
 でも、あの女が犯人と思って間違えないと思うよ」
クレオが返す。
その女はこちらに気がついたらしく、ゆっくりとやってきた。
「どういうつもりだ?」
レパントは「おまえが犯人だ」といっているような台詞を言った。
しかし、女はあっさりと
「ちょっとした力を手に入れたので試したのよ。」
と、言い返してきた。
「ちょっとした力がなんだか知らないが、せっかく育てた作物に火を付けるなんてどう
 いうつもりだ!」
レパントの口調は、怒りに満ちていた。
「そんなに怒らなくても良いじゃない、大統領さん。
 わたしは、サルファという者よ。よろしくね。」 
その女は、あのフェリウスの仲間であった。
「サルファだと?」
バルカスが聞き返す。
「あら、どうやら捕まった兵が喋っちゃったのね。しょうがない人だこと。」
「おまえには色々聞きたいからな。おとなしく来てもらおうかな?」
バルカスは、まだ山賊自体の癖がまだ残っているようだった。
でも、サルファは全く動じていなかった。
「わたしは、あのしょうがない兵みたいに、簡単には捕まらないわよ。
 でも折角だからわたしの力だけは見せてあげる。」
と言うと、サルファは詠唱を始めた。
一行は誰もが、畑を焼いた時と同じ火の魔法で来ると思ったが、その詠唱の締めくくり
はあまりにも意外なものであった。

「氷の雨!」

上から、氷の矢が降ってきたのである。
前方からの攻撃と判断していたメンバーは、これを全く想像しなかったため逃げ遅れた
者が居た。バルカスである。
バルカスの肩を矢がかすった。
もちろんこの程度では致命傷にならないと誰もが思ったが・・・
なんと、その傷口から皮膚が凍り始めたのである。
これにはさすがのバルカスも恐怖を感じた。
このまま放っておけば手が凍りついて、二度と手は動かなくなるだろう。
「自分の手が凍るのはどうかしら?
 早く何とかしないと、凍傷になって自分の手とさよならを言わなくてはいけないの
 よ。ふふふふ」
サルファは勝ち誇りながら、再び「氷の雨」を放つ。
しかし、同じ魔法ではさすがに当たらなかった。
とりあえず、バルカスは戦いの場から離れた。
しかし氷の傷のため、水の封印球では癒せなかった。
たまたまクレオが烈火の紋章を宿していたので弱い炎を出して、くい止めている。
「くそぅ、こんな魔法は見たことがないぞ。
 手が言うことを聞かない・・・」
「バルカス、あんまりしゃべらない方がいいよ。
 ちょっと熱いかもしんないけど、我慢して。」
それと同時にクレオは、近くにいた村の人に
「すまないけど、桶を貸してくれない?洗濯桶くらい大きなものを」
村人は、すぐに家に取りにいった。

サルファが魔法を放ち続ける隙をついて、レパント、パーン、カスミが一気に間合いを
詰めた。
そして、もっとも素早いカスミが先に間合いを詰めきりサルファを抱き抱えると一気に
空へ飛んだ!
「もず落とし」である。
うまく行けば首の骨も折ることができ、相手を葬ることもできる技である。
そうでなくても確実に、大きなダメージを与えることができる。
サルファを下にして、地上へ向かった時、メンバーの誰もが勝ちを確信した。
ところが、カスミはサルファの表情を見て驚きを感じた。笑っていたのだ・・・・
サルファはボソボソと言葉を言いだした。詠唱である。
「風の鎧!」
「えっ!」
地面に叩き付く直前に、サルファとカスミがトランポリンの上に来たように跳ね返った
のだ。
意外な跳ね返りの衝撃で、カスミは腕の力を弱めてしまった。
サルファはそれを逃すはずはなく、カスミを振り飛ばした。
カスミはそのまま地面に激突し、気を失った。
レパントとパーンはそれを見て間合いを詰めなおしたが、サルファは体制を整え一気に
間合いを広げた。
すばやさはそれなりにあるようだ。
「風の鎧」は、自分のまわりの空気を一気に圧縮させ、空気のスポンジを作るといった
感じである。
それによって、様々な攻撃や衝撃を吸収することができるのである。
ただし、自分のまわりを全て包んでしまうので、自分からも物理攻撃ができなくなる
欠点がある。
よって、防御専用の魔法といえる。
ただ同時に2つの魔法を唱えられるほどの能力がある者が使えば、話しは変わってくる
がとりあえず彼女でも、そこまではできないようである。
彼女は、鎧の効果で跳ね返った後、魔法を解いてカスミを跳ね飛ばしたのである。

「炎」、「氷の雨」、「風の鎧」

すでに、3系統の魔法を使っている。本来ならどれかひとつの系統しか使えないはずで
ある。それなりの能力があって封印球で紋章をを宿さなくても使える魔法があったとし
ても2系統がまず限度である。
その上、水の系統での攻撃魔法はないはずであるのに、氷を出現させバルカスを苦しめ
ている。
サルファが、よっぽどの能力を持ち合わせているのだろうか・・・
あと、もう一つ考えられる。
「もしかして、合成された封印球で紋章を宿したのか?」
レパントがまさかと思い、問いかける。
「あら、なかなか勉強熱心なのね。その通りよ。
 風と炎と水を掛け合わしたのよ。
 本来なら、水と炎は相性が悪いから同居できないけど、風が仲介してくれるから
 大丈夫みたいだね。
 今回はこの紋章達の力を試しにやってきた訳よ。」
サルファはあっさりと謎を話した。
しかし、逆にこれがメンバー心情をたたき落とすことになったのは言うまでもない。
『や、やはりフェリウスが作っていたのは合成された封印球だったのか。
 このままでは村全部を消し去る魔法を彼女が使うのだろうか?
 とすればなんとか場所を変えないと大変なことになるぞ・・・』
レパントは、絶望的な考えに陥った。
しかしサルファは、
「でも、わたしのはこれが限度なのよね。フェリウスは違うみたいだけど。」
自ら相手の恐怖から救ってあげたのである。よほど余裕があるのか単におしゃべりなの
かは不明である。
これで、いきなり村を消し去るという行動に彼女が出る、ということはなくなったよう
だ。

一方
「持ってきました。」
「ありがとう」
村人が持ってきた大きな桶を受け取ると
「バルカス、ちょっと辛いけどこの桶に『やさしさの水』を入れてくれない?」
「おまえ、なんでわたしが使えることを?」
「練習しているのを見たからさ。」
「1人で戦うと怪我がつきものだからな。国境警備隊長が魔法も使えないんじゃ
 恥ずかしいしよ。
 じゃあ、いま出すよ。」
 −−清らかな水よ、聖なる雨となって我らの傷を癒したまえ。
「やさしさの水!」
清らかな水が桶に入っていく。
それをクレオが、炎で暖めていく。
ただの水では傷にしみるが、これなら大丈夫なはず。
常に暖めていけば腕の氷も、くい止められるはずである。
温まった湯に、バルカスの腕を浸す。急激に湯は温度を下げるので、炎を常に
当てている。

とにかく倒すしかないと考えたレパントは、愛剣「キリンジ」を再び持ち切りかかる
パーンもあとに続く、さすがに二人掛かり相手では詠唱が間に合わないと判断した彼女
は、再び一気に間合いをあけ、短い棒のようなものを取り出した。
だいたい長さは15cmほどで、何やら模様が彫られているようだった。
『なんだあれは。あんなのが武器になるのか?』
レパントとパーンはほぼ同じ考えを持ちながら、走りながら間合いを詰めていく。
ところが、彼女が気を発した瞬間、その棒から黄色の光が放たれた。
そしてその光がやがて剣の形へと変わっていく。
「魔法剣」である
魔力を手に集中することにより実体化させたものが、始まりである。
最初は、武器としてはほとんど役に立つものではないものだったが、これを剣の形へ
コントロールすることによって、実用的となった。
利点といえば
・重さがあまり無いために、能力があれば力はなくても扱えるということ。
・自分の魔力を鍛えれば切れ味も増すため、鍛冶屋要らずということ。
・自分の手から出すため、剣をはじき飛ばされるということがないこと。
・一度実体化させれば、出現中でも魔力はほとんど消費しない。
 (魔法剣を使いながら魔法が使えるということ)
ということである。
そして、さらに剣としての能力を上げるために、彫刻が施された棒を剣の枝として使う
ようになった。
この方が見た目にもかっこいいだけでなく、彫刻が魔法陣の役目を果たしているのであ
る。
そのため剣をより強力なものにするのである。
サルファが戦士のような格好をしていたのは、この剣を使うために動きやすい格好にし
たいからであった。
「ふふっ、初めてこれを見るようね。」
驚いた表情で、剣を見るレパントに対してサルファが言う。
驚いて当然である。
この剣を扱えるものは滅多に居ない。
自分の魔力を物体化させるだけでも並大抵のことではないのに、剣にまでしてしまうの
だから。
共和国はもちろん、近隣の国にもこれが使えるものは聞いたことがなかったのである。
「しかし、剣は技術勝負だ。いくぞ!」
レパントは自分の腕を信じて、斬りに行く。

キン!

互いの剣が、ぶつかりあう。
剣の勝負では、レパントが有利なのは間違いはないが、サルファは魔法が使える。
もちろんサルファは、ボソボソと呪文を言いながら凌いでいる。
「風烈圧!」
空気を圧縮させそれを相手方に開放することにより一気に風圧がかかる魔法である。
「くそう!」
レパントは、風に耐えられず後ろへ飛ばされた。
この魔法はダメージを与えるというより、相手から逃れるための物と言えるであろう。
「さすがに生半可なわたしの剣では、保ちそうもないわね。」
「今度は俺だ」
パーンが今度は立ち向かう。サルファは、剣で立ち向かう。
パーンが近づくところを狙い、斬りに行く。
しかしパーンはそれを予測していた。
すばやく右横へ方向を変え、回り込むように後ろへ回った。
そして拳をあげる。
腹部を狙い気絶をという考えである。
しかし、サルファもその可能性があると考えていたらしくすんでの所で左足を踏み込み
逆側へ飛ぶ。またそれと同時に剣を振った。
剣を振られた反射でパーンも後方へ飛んだが・・・

スッ

パーンの目の前の空気に赤い色が混じっていた。
「うっ、この間合いでなぜ・・・」
ふと相手を見ると、剣の長さが倍になっていた。
その剣はまた元の長さへ戻っていた。
「くっ。な、なんだあの剣は」
「あまりお勉強してないようね、拳法使いさん。
 魔法の力を使って居るんだから、長さを変えるなんて簡単でしょ?
 でも、これを使いすぎると魔力の消耗が激しいからあんまり使えないけどね。
 でも近い間合いではわたしは不利だから、今度はこうしましょうか。」
サルファは、また詠唱を始めた。
レパントが、再度斬りに行く。
詠唱が済む前に攻撃をしなくては行けなかった。
しかし・・・
「氷の雨!」
再び、同じ魔法であった。レパントはこの雨を難なく避けて、サルファの方を見た。
「なにぃ!?」
サルファの魔法剣が、氷の雨を吸収しているのだ。
そしていままで黄色だった光がやがて白く変化していった。
魔法により、剣に属性を付けたのである。
生きるものには、弱点がある者がほとんどである。
その弱点につけ込むのに魔法は便利なときが多い。ただ剣で切るよりは効果的であるが
魔法力を消費するので頻発はできない。とすれと剣などの武器にそういう力を与えれば
いいのである。魔法剣は魔法でできているのでそういう力は簡単に吸収できる。
これが魔法剣の最大の特徴でもあり最も効果の高いものと言えるであろう。
サルファが、そばにあった石を放りあげるとそれに対して剣を振った。
すると、剣は触れていないのに石は凍り付いて地面へ落ちたと思うと、一部が割れてし
まったのだ。
「氷の属性を与えたから、この剣に触ればすぐに凍り付くわよ。」
と気前良く説明までしてくれた。
手の内をあかすと不利の場合が多いが、この場合は逆である。
うかつに近づけばあっという間に冷凍保存されてしまうのである。
これで接近戦まで不利となってしまった。
『魔法で戦って勝てる相手ではない上に剣でも勝てないとは・・・
 これが、最後の手段だな』
レパントは、意を決してサルファに向かっていった。
「あら、近づいてきて大丈夫なのかしら。」
 −−火よりも熱き炎の精よ、世に現れ、嵐となり、それを焼きつくせ・・・
「好きに言うがよい。炎の嵐!」
「あら、あなた魔法が使えるの!?」
サルファばかりでなく、他のメンバーもこれには驚いた。
「文武両道」という言葉があるが、それに近いものなのだろうか。
密かにレパントは魔法を勉強していたのだ。
しかし潜在能力が乏しければ、いくら勉強しても簡単に紋章の力を最大限に使えるよう
になるわけではなかった。低いレベルの魔法を数回使える程度であった。
この程度の魔法でサルファを倒すのはレパントでもわかっていた。
とすれば狙ったのは?
炎の集団は、一気にサルファの持つ剣へ飛んでいった。
炎の魔法で氷の属性を中和しようという考えあった。サルファは剣を引いたが、
剣は既に魔法を受け入れようととする体制に入っていた。
元々吸収しやすいような性質を持たせていたのが失敗である。
そして、氷の剣を炎が包んだ。
レパントはそのままサルファへ駆け寄るそして剣を構える。
「氷が消えればこっちのものだ、行くぞ! ・・・な、なぜだ!」
炎は確かに吸収されたが、氷はまだ残っていた。
やはりレパントの魔力では全てを溶かすことはできなかったのである。
「残念だったわね。」
既にレパントは、サルファの目の前まで来ていた。
いまから相手から離れるのは難しかった。
サルファは容赦なく剣をレパントに向けた。
レパントも負けを覚悟したが、剣を振りにいった。
「くそう、これまでか・・・」
ゴッ!
「なに、うっ!・・・」
声を上げたのは、サルファであった。
サルファの手から、剣が離れたその瞬間魔法剣は姿を消した。
地面には柄だけが静かに落ちた。
本来なら柄はなくても魔法剣は作れるが、肝心の手を赤く染めていたサルファには無理
であった。これでは魔力を手に集中はできない。
レパントは、急な変化に驚いたが、既に剣は振り下ろされていた。
サルファもなんとか逃れようとしたが、さすがに逃げ切れなかった。
スバッ!
剣が彼女の腹部を捕らえていた。
「ううっ!不覚を突かれたわ。きょうは失礼させてもらうわよ。」
「くそぅ、逃がすか!」
しかし、サルファは「テレポテーション」のアイテムでこの場から消え去った。
さすがのレパントも深追いは避けた。
こちらの被害も大きかったからである。
それ以前にどこへ飛んでいたったかも不明であったからだが・・・
「危なかったようだな」
「誰だ!」
レパントが辺りを見回す。
そういえば彼女の手を襲ったのはなんだったのだろうか?
いつの間に1人の男がいた。レオンである。
「レ、レオン殿」
「なかなか大変のようだな、大統領」
「レオン殿が、助けてくれたのでしょうか?」
「まぁ、ちょっとした事をな」
それは、「つぶて」であった。
レオンが、戻ってくるとこの騒ぎに気付いて、行ってみるとレパント達が戦って
いるのを目にした。
レオンはそばにあった、小石をサルファの右手首に向けて飛ばしたのだ。
よほどの強者のつぶての場合は致命傷になることもあるが、レオンはそこまではなかっ
た。ただ、コントロールは良かったようである。
意表を突く痛みにサルファは思わず剣を落としてしまったのである。
あとは、このとおりである。
バルカスは、クレアの治療が功を奏して回復した。
回復したバルカスは、再度「やさしさの水」を唱えパーンとカスミの傷を癒した。
一行はレオンの家に再び訪れていた。
レオンは、いままでの経緯を聞くと・・・
「いいでしょう。わたしたちの村の畑まで荒らす奴を許すわけにはいかん」
「ありがとうございます。レオン殿」
レパントは、ほっとした表情であった。
「さっそく提案があるのだが。いいかな?」
メンバーは、レオンが早くもなにか良い知恵を浮かべたのかと興味津々とうなずいた。
「モラビア城は、たぶん明け渡す」

「な、なんですと?」
「なんだと!」
「な、なぜだ?」
「なんだって?」
「なぜですか?」

メンバーは驚きと疑問の声を同時に上げた。
当然であろう。いきなり、城を明け渡すなんて言われたら驚かない方が不思議である。
では、なぜレオンはこんな事を言ったのだろうか?

▽第4章「よみがえる禁断魔法」
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