岳  内水地帯・河川流水の鳥

オシドリ

♂ 脇腹の波状紋
オシドリ・♂の繁殖羽  2003.11.18 東京都
標準蹼型
第2趾,第3趾,第4趾の間に蹼膜(水かき)が張った蹼足
オシドリ・♀ 2002. 5 中部山岳・梓川 
オシドリ
種 名 カモ目/カモ科/オシドリ 鴛鴦 Aix galericulata Mandarin Duck
時 期 留鳥、または冬鳥。東北地方以北では夏鳥
形 態 L 450mm 嘴峰27-32mm 翼長214-250mm  尾長90-109mm ふ蹠33-40mm.
    雌雄異色。
    ♂は、冬羽がカモ類中、特に鮮やか。 三列風切の内側の一枚は、大きな銀杏の葉の形をしたイチョウ羽となる。
    嘴は紅色で、先端が白色。 頭頂は金緑色で、後頭部の羽毛は長くのび、白色と赤栗色が混じる。
    背は暗褐色で、肩羽は藍黒色と白色が混じる。 眼先は淡い黄褐色で、頸側には栗色の細長い羽毛がある。
    胸は紫黒色で、胸側には2本の白帯があり、腹は白い。
    ♀は、嘴が赤黒色。上面が暗褐色で、眼の周囲の白色が後頸にかけてのびている。
    胸は黒褐色で、白色斑が散在し、上嘴の基部両側、喉、腹は白色。脇は黒褐色し黄褐色の斑。
    オスはエクリプス時にイチョウ羽が消え、メスの体色に似ているが、嘴は紅色。
    鳴き声:オスは「ピューイ ピューイ」 メスは「キュッ キュッ」

生   態
分 布 旧北区。
    ユーラシア大陸東部のウスリーと中国北部に繁殖分布し、冬は中国南部に渡って越冬する。
    イギリスに生息するオシドリは、飼育していた個体が逃げて野生化した個体。
    日本では、四国を除く北海道から沖縄まで繁殖記録がある。 冬は本州以南に分布、四国にも分布する。

生息地 低地から亜高山帯にかけて生息する。
    繁殖期には、大木の多い広葉樹林内の河川、湖沼で生息し、ミズナラの多いブナ林、シイ・カシ林などを特に好む。
    冬は、山間の河川、ダム湖、湖沼、樹林に囲まれた池、溜池などで生息し、林内の枯れ木に止まることもある。
採 食 主に植物食の雑食性。
    草の種子、果木の果実、水生昆虫などを食べる。特にシイ、カシ、ナラ類のドングリを好んで食べる。
    夜行性のため、夜間、水田や湿地で採食する。日中は、水辺の陸地、岩、樹上で休むことが多い。
    採食の仕方は、地上を歩きながら採食、水面を泳ぎながら採食、水面で逆立ちをして上半身を水中に入れて採食、
    水底を水掻きでかき回して浮いてきた水草などを採食、シイ・カシの木に登ってドングリを摘み取る採食をする。

繁 殖 繁殖期は、4-7月。 一夫一妻。 つがいで分散するが、コロニーにはならない。 抱卵期につがいを解消する。
    縄張りは、巣の周りだけ。
    巣づくり: ♀のみで巣をつくる。 巣は、大木の虚(うろ = 洞穴)内や、地上の窪みに巣をつくる。
    巣場所の選定は♀が行い、巣づくりの間、♂は縄張りの見張り役。
    木の虚(うろ)に巣をつくる場合は巣材を敷かないが、地上の窪みに巣をつくる場合は巣材に木の葉を敷き、
    ♀が巣に♂の胸・腹の綿毛を敷いて産座をつくる。
    産卵: 1巣卵数、7-12個。
    抱卵: ♀のみで28-30日間、抱卵する。 雛は早成性の離巣性。
    育雛: 母親のみで行う。雛は母親に促されて樹の洞穴から飛び下り、かなり(2kmの記録)歩いて水に入る。
    雛は40-45日で親元を離れ、独立する。

    抱卵期につがいを解消した♂は、♂同士で群れをつくったり、第2の♀に求愛することもある。
    冬期は、水系で大小の群れをつくる。
    つがい形成は、9月から翌年2月ごろまでつづき、群れの中でグループディスプレイが行われる。
    求愛のディスプレイは夕方・明け方に多く行われ、2-数羽の♂が1-2羽の♀の周囲を泳ぎながらメスの横に
    並ぼうとする。冠羽やイチョウ羽を起こして♀に見せつけ、首を上下させたり、上半身をもち上げたり、
    振り返ったりのポーズをして、求愛のディスプレイをする。
    ♀は、首を前方に伸ばし、嘴を水面に触れるほど下げて左右に振り、♂をそそのかす。
イチョウ羽
イチョウ羽は、銀杏の葉の形をしてることからイチョウ羽と呼ばれている、♂の三列風切の一枚で、冬期には著しく目立つ繁殖羽。
浅い水辺を歩きながら、石についている藻を採食するメス。
中部山岳・標高1500m 2002. 5
写真左 水を飲んでいる♂    写真上 ♂の鮮やかな生殖羽
目立つイチョウ羽 2003.11.18
♂の上面 2003.11.18
日中は、水辺の陸地、岩、樹上で休むことが多い。
羽づくろいをしている♂
休息中のつがい。
仲の良い夫婦をオシドリ夫婦という。しかし、オシドリは抱卵期につがいを解消し、♂は第2の♀を求めることもあり... 相手を変えて離婚率が多い。
オシドリの群
♀を取り合う争い 写真左・上ともに、メスを取り合う争い
オシドリの求愛ディスプレイ
♀が♂に嘴を寄せて、求愛する
数羽の♂が、1羽の♀を取り囲んで泳ぎまわる
♂がイチョウ羽を立て、メスに見せつけて泳ぐ 2001.12.23
♂が♀の横に並ぼうとして、♀に近づく...
気に入った♀に近づく♂
冠羽やイチョウ羽を立てて♀に見せつけ、♀の気を引く。
首を上下させたり、上半身をもち上げるポーズをして、
求愛のディスプレイが行われる。

2001.12.23
エクリプス
オシドリのエクリプス

♂は夏羽になるとイチョウ羽も消え、羽色が♀に似た色合いになって区別がつきにくくなるが、
♂の嘴はエクリプス時もピンク色をしているため、嘴を見ると♂♀を見分けられる。
渡りをしないマガモとともにいたオシドリ  中部山岳、標高1500m 8月

エクリプス時、♂の脇腹の白斑は♀のように鮮明ではない。

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