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スズムシの羽化(うか) 幼体から成体へ

6回あるいは7回めの脱皮。 ♂の羽化 孵化から約60日後。

幼虫から成虫(おとな)になるための羽化(うか)です。

ちぢんでいる「はね」は、だんだん広がって、りっぱな おとなの「はね」になります。

最後の脱皮で、羽化します。
おなかの下から長い触角が.....
♂の「前ばね」は大きく広がって、風船(ふうせん)のようにも、
おしゃれな まっ白いドレスのようにも見えます。
脱皮が終わると、すぐ、抜け殻のほうに体の向きを かえて、
自分の抜け殻を食べに行きます。
ちぢんでいた「はね」は、時間がたつと だんだん伸びて、長くなります。
「前ばね」の下には、広がって伸びた「後ろばね」が見えます。
最後の脱皮で、成虫になると、♂特有の「はね」もようが見えます。

はね色は、まっ白から灰色へ、黒色へと かわります。
その間、抜け殻を食べる以外は「はね」が かたまるまで動きません。

「後ろばね」は、5〜7日ほどで抜け落ちます。

なぜ「後ろばね」は抜け落ちるの?
昆虫には4枚の「はね」がありますが、スズムシの「後ろばね」が抜け落ちるのは、ふしぎですね。

それは、スズムシは地上を歩いて生活をしているため、飛ぶために必要な「後ろばね」は、いらないので抜け落ちます。


♀の羽化 
4枚の「はね」を脱皮中。
成虫になった♀には、約12mmの産卵管(さんらんかん)があります。
♀特有の「はね」もようと「後ろばね」が見えます。
脱皮が終わると、すぐに抜け殻のほうに向きをかえて歩き、抜け殻を食べたり、
しだいに 黒くなっていく あいだに 抜け殻を食べたりします。

脱皮したあと、♂も♀も抜け殻を食べますが、周囲にいる仲間に抜け殻を落とされて、食べることが できない個体もいます。

「はね」の血液の流れ
「前ばね」の たたみじわ 顕微鏡写真
どのようにして、ちぢんでいた「はね」が伸びるの?
小さい殻の中で、「はね」は 折りたたまれて はいっています。
脱皮すると、ちぢれて「たたみじわ」のある「はね」に血液が にじんで いって、
「はね」は伸びて広がるのです。
次ページからは、成虫の生活。 鳴く♂の ひみつ。
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