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スズムシの交尾 (こうび)  耳・触覚・複眼
写真・左は、「リリー・リリー」と鳴く、美しい音色(ねいろ)に さそわれた♀。
写真・右は、♂は「前ばね」のつけねにある誘引腺から出る性フェロモン(におい)で♀をさそいます。
      その♂の背に乗る♀。 ♂が♀に背を向けて鳴くのは、そのためでもあります。
♀が♂を気に入ると、お嫁さんになります。
なかには、♂を気に入らない♀は、そっぽを向いてカップルになりません。

めでたくカップルになると、元気な子どもをのこすため、
交尾(2分から10分)をします。

たとえば、オシベの花粉(かふん)をメシベが受粉(じゅふん)して種や実ができるように、
♀は受精して有精卵(ゆうせいらん)をつくります。
♂だけでも、♀だけでも 元気な子どもは うまれません。

ところで、♀は♂の 鳴き声を聞いて、♂のところへ来ましたね。
耳は、どこにあるのでしょう?

それと、においは、どこで わかるのでしょう?

「あし」の耳と触角(みみ と しょっかく)

スズムシの耳 「前あし」の脛下(すねした)の内側(コオロギは前あしの外側)にあります。

耳は「前あし」の内側にあります。
白く見えるところが耳。
鳴く虫には耳があります。
スズムシの耳
スズムシの耳と鼓膜(こまく)
スズムシの「前あし」を顕微鏡で観察(かんさつ)すると、「あし」全体は毛で おおわれていますが、
耳だけは毛が はえていません。 その耳は、音を聞くための鼓膜(こまく)が皮膚と直接つながっています。
匂いはどこで 感じるの?
スズムシの触角
長さ: 約43mm.(体長の約3倍)
形:  先にゆくほど細く、断面(
だんめん)は、円形。
    細い毛で おおわれて、たくさんの節
(ふし)がある。
色:  付けねは黄茶色。中ほどは白色で、先は少し黒い。

100以上の節がある触角は、前後・左右、全天へ、しなやかに動きます。
体のまわりの障害物などの情報や、匂いを感じとります。

触角の先端部
中間部と先端部の境界付近
触角の基部
情報を集める大切なアンテナを、くちで手入れする。
触角は、しなやかに曲がる。
まっ暗闇(くらやみ)で交信したり、
障害物を知るとができる。
触角があるお陰で、暗やみでも障害物にぶつかることなく歩けたり、
触角をきように動かすことで、なかまと交信(お話)ができます。
くちひげは、くちもとの情報を得ます。
お尻の尾毛は、後方の情報を得たり、体のバランスをとります。
触角と尾毛は、なかま同士の争いなどによって、ちぎれて短くなります。
交信をしているスズムシ
複 眼(ふくがん)
スズムシの目

スズムシの目は、トンボやチョウと同じように複眼です。
複眼は、小さい個眼(一つ一つの眼)が たくさん集まって
できています。
実際に物を見ることができます。

スズムシの複眼の拡大写真。
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