平成14年11月24日
昨日師匠のプライベート・レッスンを受けました。前回(11月9日)に続いて、英語学習の話しが中心でした。結局ある程度のレベルに達したら、留学(特に短期でなく、1・2年)すると手っ取り早いという結論でした。
2人の結論は、『(留学してもあまり伸びない人も確かにいますが、)もともと伸びる要素のある人がより早くかつ日本で上達できる上限より(少なくとも少しは)高いレベルに到達できる可能性が大きい。』ということです。
わたしの場合、迷走録9月28日に書いたようにイギリスから帰国してから初めての師匠のレッスンで、発音等についての印象をきいたら、『とてもクリアーになった、しかも流暢になった。』といってくれました。しかし、『今は、イギリスから帰ってきて間もないし、自信もつけてきたようだが、帰国してから向こうにいたときのレベルを維持するのは、難しいからな。』と、しっかり釘を刺されていたのです。
結果は、今は流暢といえるレベルではなくなってしまいました。やはり、短期では実力がしっかり定着するには、時間が足りなかったようです。しかし、『それでも今回の渡英以前よりは、ずっといい。』と(師匠にしては珍しく)慰めてくれました。それに加え、渡英前一年間は、ほとんど英語のレッスンどころか、英語を使う機会すらありませんでしたが、自分でコツコツ発音練習等を続けていただけの状況にもかかわらず、そのときですら流暢さは少しずつですが増していたので、『今回の結果は残念だったが、そう落胆するな。英語を実際に使う機会が全くないにしては、よくやっている。』とのことでした。
確かにそうです。わかります。でも納得できずに、師匠とあーだこーだと話すうちに、ふとひらめいたことがありました。それで、師匠に『帰ってから一番変わったのは、頭の中に英語のリズムが無くなったことだよなあ。』といって、『頭の中にリズムがあって、image や thought を音に変えてリズムに乗せてだしたんだよな。こんな感じで、・・・。』といいながら話してみると、なんと流暢に響くではないですか。思わず師匠と目を合わせてしまいました。それで、地に戻って「リズムをイメージしながら、話すということは難しいんだけど」とことわって、再度一呼吸おいてやってみると、なんとやっぱり流暢に話せるではないですか。師匠も「Much better!」と掛け値なしにいってくれました。それで、マイ・フェア・レディでイライザが初めて上手く発音できたときのヒギンズ教授とイライザのように喜びました。『できたー!』
ただ帰国時よりは、微妙に流暢さに欠けるかも知れないし、なにより頭の中に英語のリズムをイメージする準備時間が必要です。ただ、ゆっくりですが確実に(頭の中で音とリズムが融合したら一気に話すという方法で、)再現できるので、少しずつ練習していこうと思っています。帰国してからは、殊勝にも初心に帰ってなどと、ゆっくりはっきりの録音教材で聞き取りと発音の練習を繰り返していたので、イギリスで修得したリズムをほとんど忘れてしまっていたのだと思います。丁寧な練習と実践的な練習をバランスよくする必要があるようです。(丁寧な練習は丁寧な練習で充分役に立っているのです。でも、これはまだ秘密。)
先週書いた「個々の発音完成の次のレベルへの道」ですが、ちょっとさわりだけ書いてみます。ロンドンでは、個々の発音の練習もしましたが、わたしの発音のクラスはそれほど大きな問題のない人ばかりだったので、日常会話で起こる音韻の変化を重点的に練習しました。ただ、変化の練習をしたのではなく、リズムとストレスを徹底的に練習させられました。
日本では、普通個々の発音をやって、音韻変化をやると、すぐイントネーションに進みますが、リズムとストレスを練習すると効果が高いのではと思います。
イントネーションは、ネイティブでも識別が大変だそうです。サマーコースでイントネーションのクラスの担任だったSetter先生によると、ネイティブで音声学を専攻した学生の中には、数は少ないですが、完璧に聞き取ったイントネーションをまねできても、どの型になるか識別できない学生も何人かは出てくるそうです。
それで、個々の発音をある程度終えたら、例文を何度もしっかり聞いて、リズムと強弱を徹底的に真似るといいと思います。自分の場合、リズムと強弱も含めて完全に頭に入ったものは、イントネーションも何とか自然になっているようです。そういえば、師匠の日本語もTVのCMで、繰り返し聞いたものを真似ていうときは、イントネーションも自然です。テキストでは、Better English Pronunciation の「Word groups and stress」に、少しですが打楽器にあわせて強弱とリズムを練習するところがあります。強弱とリズムの練習がどういうものかイメージが湧かない人は、別売のテープで聞いてみると良いかもしれません。
平成14年11月10日
この1週間は、何人かのひとと直接話したり電話したりメールのやりとりをしました。にゃうら〜れさんからのメールはお便りのページに掲載しましたが、その後のやりとりもまとめてみようかなと思っています。
昨日は師匠のレッスンを受けたので、例によって師匠はわたしの英語の状態をきびしく認識させてくれました。最近は、師匠は海外に数年留学した人の話をやたらするようになりました。その人達の英語のレベルは、ほとんど日本国内だけで勉強していては、よほど才能があるか、自分にぴったりの先生や教材にめぐりあってやり込まなければ、到底到達できないレベルだと思われます。
まあ師匠の引き合いに出す例は、海外渡航派のなかでも大成功の部類だから、海外で真剣に学んだ人全てがそうなるわけではないということは、分っています。しかし、わたしの場合、事実上海外で長期間学ぶということは、不可能なので「俺だって、海外で数年勉強すれば、・・・」という気持ちになることもないではないです。それでも音声学については、ほんの基本を除いては、ほぼ独力でロンドン大学のサマーコースでも上のほうのクラスの授業についていけるレベルになったので、情熱と自分に合った方法さえあれば、会話も少しずつ海外渡航成功派のレベルに近づいていけるのではないかといろいろ模索しています。
師匠とは、学習方法についての話しもします。師匠はよくおかしな学習者の話をしますが、そこに師匠の観察力の鋭さと見識の高さ(と口の悪さ)が表れています。この数年はそういう雑談のような形で、いろいろなことを教えてくれます。わたしの場合、自分が納得しないといくら師匠のアドバイスでも素直に従わないので、そういう形になるとは思うのですが、それはそれでいい成果をあげているのではないかと思います。
師匠によると、わたしは師匠が教えた何万人もの生徒中でも、最初の時期に限りますが、短期間での伸びはトップクラスだったとそうです。特にわたしのようなほとんどゼロからはじめてあれほど伸びた生徒はいないと断言しています。しかし、この数年英語力の進歩が停滞しているので、この辺で一度自分の学習方針を考え直さねばと思っています。
学習方法を考える傍らで、英語の勉強自体も細々と地道に続けています。最近、個々の発音完成の次のレベルへの道が見えてきたような気がします。もう少しやってみて、よさそうならHPにアップしようと思っています。
平成14年11月3日
この1週間も、特に変わったことはしていなく、依然としてマンネリ状態が続いていたのですが、今日は例の大学院生のYさんと食事がてら音声学の話しをしてきました。その席で修士論文のテーマや次回の学会で発表する原稿についての意見を求められました。学会発表はさておき、修士論文のほうはもうすぐ自分も体験することなので、大変参考になりました。
いい刺激を受けたので、気分を新たにして、勉強しようと思いました。次回のアップには、なにか具体的なことが書けるようにしたいと思います。