いりすがでてきてこんにちは
−東本願寺−(解決編)

驚愕の事実、イリス降臨シーンの東寺(に見える場所)は、実は東寺ではなかった!

調査はいきなり振り出しへと戻ってしまったっす。とほほ〜〜(T_T) 他にあれほどの築地塀を持つ場所はさしもの京都といえどさほど多くないとはいえ、シラミつぶしに捜していたら、いったいいつ見つかることやら。

手がかりを求めてメイキングビデオ「ガメラ1999+」のロケ現場のシーンを目を皿にして観てみると、夜間でほとんど場所がわからないながら、ほんの一瞬京都タワーらしき白い光が写っているのが判明。京都タワーの近く・・・築地塀・・・

・・・あそこか? 半信半疑の思いを胸に、奇しくもイリス降臨の時と同じような激しい雨の中、再び京都へと赴いたっす。

(おお、なんかカッコイイ。でもやってることはただの特撮バカ・・・)

京都駅から北へ延びる長い地下道を抜けると、そこはもう東本願寺っす。

東本願寺は、浄土真宗大谷派の総本山。日本最大の宗教宗派と言われる浄土真宗を、西本願寺の本願寺派と二分する勢力の本拠地だけあって、なんとも凄まじく大きなお寺っす。西本願寺が、桃山時代から残る国宝・重文の建築物によって歴史ある伽藍を誇っているのに対抗し、明治以降の建物の多い東本願寺は、巨大建築物よってその伽藍の威容を誇っているっす。

東大寺大仏殿に次ぐ世界第2位の木造建築物といわれる、御影堂。

御影堂というのは浄土真宗特有のお堂で、親鸞聖人の画像(御影)を祀るお堂っす。このお堂の向かって左側(南側)に阿弥陀如来を祀る阿弥陀堂があって、この2つのお堂が横に並ぶ形式が浄土真宗寺院の特徴っす。建前上本堂は阿弥陀堂ということになってるすけど、実際にはどのお寺も御影堂の方を大きく造ってあるっす(^_^; ちなみに西本願寺では向かって左側(南側)が御影堂で向かって右側(北側)が阿弥陀堂。左右逆っす。

いやそんなことはともかく。ガメラガメラ。

どうやら諸条件を満たしそうなのは、御影堂門(山門)向かって右側のあたりのこの塀。でもかなり映画とは違う雰囲気っす。

近付いて確認してみると・・・。

(上の写真は、2枚の写真を合成したものです)

おお、ここだよここ。

まん中左寄りの斜めになった松の位置から考えて、映画は上の写真よりも右寄りの位置から、人の背の高さよりやや高い台の上に乗って撮影したらしいことがわかるっす。

問題になるのは、映画では見えないまん中の二本の松。

しかしよく見てみると、映画の方では築地塀の壁の部分に消し残った松の幹が二本、かすかに見えているっす。築地塀の屋根にかかる部分はレタッチできれいに松の痕跡を消してあるけど、壁の部分は傘や人間が重なる部分なので消すことができなかったんでしょう。

この程度の補正はパソコンレベルでも簡単にできることは、Photoshop等の画像補正ソフトを使った人ならわかるっすよね。

この二本の松が、壁と重なる部分には枝や葉がないことも好都合。おかげで実際の風景に較べてかなり開放的な雰囲気に見えているっす。

ちなみに築地塀の左の方に見えている向こう側の屋根は、参拝者用トイレの屋根でした。

映画で左端に見えていた切妻屋根状の部分が、思った通り築地塀が直角に交叉する部分の断面が見えていたものだっとことも確認できたっす。

というわけで、ニセ東寺の正体は、東本願寺でした。

しかし、またしても映画の作り手が仕組んだ映像的虚構にしっかり騙されていたとは。まさか、東寺を東本願寺で撮るなんて夢にも思わなかったもんな〜(^_^;

してやられたっす。映画ってのは、柔軟かつ臨機応変な判断力の持ち主でないと、撮れないものなんすね。

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