ルアー白鳥  ルアーが右足に刺さった白鳥・救出作戦
ルアー白鳥を撮影の報道関係
右足にルアーが刺さり、身動きせずにうずくまるハクチョウの成鳥。 2003.11.27
酒田市の最上川スワンパークで、右足にルアーが刺さったハクチョウが見つかり、新聞・TVでも報じられました。
2003.11.27、私が白鳥を撮影に行った日、ルアー白鳥がいるとのことで多くの報道・保護の関係者が集まった。
そのハクチョウを私も見た。 オオハクチョウ成鳥の右足・水かきに擬餌針のルアー(約15cm)が刺さっていた。

オオハクチョウは身動きできず、うずくまっていたが、突然、自力でルアーをはずそうと、嘴でルアーをさぐった。
そのとき、ルアー針がオオハクチョウの嘴に刺さり、嘴と足とが針で絡まったハクチョウは水没し、もがいていた。
見守る人たちが「おぼれて死ぬのではないか」と心配していた。 幸い嘴に刺さったルアー針は何とかはずれた。
「酒田市白鳥を愛する会」の方たちが餌でルアー白鳥を岸に誘って網で救出しようと試みたが、ハクチョウは岸から
さらに離れ場所に飛び立った。その後、餌をまいて呼び寄せようとしても、集まって来るのはカモ類ばかりでした。
既に周囲は暗くなっており、救出は翌28日になりました。

2003.11.28 TVニュース
水かきに刺さった約15cmのルアーを、自分ではずそうとしているオオハクチョウ。
ルアーの釣り針も見えます。  スズキ用のルアーか???
根掛かりして切れたルアーか?
ルアーには釣り糸も見られます。
2003.11.28 ハクチョウ救出を試みた

ハクチョウの飛び立ちを撮影に行った28日、右足・水かきにルアーが刺さったオオハクチョウはいました。
早朝から最上川スワンパーク・ホットハウスで国土交通省、県庄内総合支庁、酒田市、同市白鳥を愛する会の
方々が救出作戦会議を始めました。
会議で検討した結果、ルアー白鳥は正常に飛べないと判断してボートで網を引きながら水路に追い込んで捕まえ、
救出する作戦をたてたそうです。

ルアー白鳥救出にあたり、最上川スワンパークの上流で準備したところ、いつもと違う気配を察知した鳥たちは、
ルアーハクチョウと一斉に飛び立ってしまいました。

この日、ハクチョウは戻ってこず、29日早朝からの救出作戦に持ち越されました。
しかし、それ以来、一週間もルアー白鳥は姿を見せていないため、現在、ルアー白鳥を探しているそうです。

ルアー針の被害に遭った「ルアー白鳥」は野生種。 救出してあげようとする人間の気持ちが鳥に伝わらず、
近づく人に脅えて遠ざかります。 ハクチョウとヒトとの言葉が通じないもどかしさを感じました。

2003.2月には、くち元に刺さったルアー白鳥(最上川のハクチョウ)は、全国的に報じられました。
根掛かりしたルアーの釣り糸が切れ、そのルアーが採食していた白鳥に刺さった、と考えられます。
このような被害に遭遇するハクチョウやカモ類の冬鳥が多いため、釣り場にルアーを忘れて置き去りにしたり、
釣り具を捨てることのないように気をつけたいものですね。

ルアー白鳥に刺さったルアーが自然にはずれて飛行・採食できるようになって、繁殖地のシベリアへ渡り、
来年、親子の家族で渡来してくれることを願っております。



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