オオセグロカモメ
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種 名 チドリ目/カモメ科/ 大背黒鴎 Larus schistisagus Slaty-backed Guul 時 期 東北地方以北では留鳥。 南では冬鳥。 形 態 L640mm W137mm ウミネコより大。 嘴峰53-59mm 翼長415-450mm 尾長160-193mm ふ蹠62-73mm. 雌雄同色。 夏冬異色。 夏羽は、頭、頸、下面、腰、尾は純白。 背は濃い青灰色。 初列風切は、先端が黒く、白斑がある。 脚はピンク色。赤いアイリングがある。 嘴は黄色で、下嘴の先端に赤斑がある。 冬羽は、頭上と後頸に黒褐色縦斑がある。 幼鳥は、嘴は灰ピンク色で先端が黒い。 全体に淡褐色の斑が散在し、尾羽は黒色。 鳴き声:「キィーユ」 |
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オオセグロカモメの飛翔。 尾羽は純白、脚は赤、嘴の先端は赤斑。 |
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生 態 分 布 旧北区。 日本海、オホーツク海、ベーリング海のアジア側に分布し、同地域の沿岸で繁殖する。 冬は、周辺の海域に広がり、東シナ海北部まで南下する。 日本では、北海道と本州北部で繁殖し、冬は、九州南部まで南下する。 日本の繁殖地は、北海道利尻島、天売島、大黒島、霧多布岬、ユルリ島、モユルリ島、知床半島、本州は青森県蕪島などに集団営巣する。 現在、増加傾向にある。 天売島では1963年に100羽だったオオセグロカモメが、2000年代には2000羽に増加した。 |
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成鳥夏羽 7月 天売島で繁殖するオオセグロカモメ
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生息地 繁殖期は、知床半島のように断崖に囲まれた半島・岬、孤島、岩礁に生息する。 非繁殖期は、岩石海岸、河口、砂浜海岸、漁港などで見られる。 北海道では宅地や牧場にも入る。 |
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採 食 潜水できないため、海岸線に沿って飛びながら、水面や地上の食べ物を見つけて、 ついばんだり、水面を泳ぎながら採食する。 浮き上がってきた魚や、漁港から出るアラや、漁船を追って船からのおこぼれや、 動物の生体・死体なども食べる。 また、住宅地の生ゴミをあさることも多い。 ウミネコやウミスズメ類の雛や、小形の鳥類も捕食するため、 日本ではウミガラスを絶滅に追い込んでいる。 魚類や哺乳類の死体を食べることから、片づけ屋とか、掃除屋とか、拾い屋、 と呼ばれている腐肉食者。 天売島でオオセグロカモメが増加した主な原因は、生ゴミの放置。餌付けする宿泊施設。 |
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ウトウの雛を捕食するオオセグロカモメ
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繁 殖 繁殖期は、5-8月。 一夫一妻。 つがいは縄張りを形成し、コロニーに集まる。 巣づくり: 雌雄で巣をつくる。 巣は岩礁の上や、草などの植生がある斜面、断崖の岩棚などに皿形の窪みをつくり、 枯れ草・枝、海草などを敷いて巣をつくる。 産卵: 1巣卵数、2-3個。 抱卵: 雌雄交代で抱卵する。 交代は数時間ごと。 ウミネコ参照。 孵化: 25-26日で孵化する。 雛は幼綿羽に覆われた半早成性の半離巣性。 育雛: 雌雄が子育てをする。 孵化後2-3日間は抱雛し、その後は雛が親の羽の下に入らなくなる。 雛が嘴で親の嘴をつついて餌をねだると、親は半消化の餌を吐き出し、くち移しで給餌する。 雛は40日ほどで巣立つ。 |
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縄張りは、半径1-2m。 雌雄が縄張り防衛をする。 威嚇のディスプレイや、求愛のディスプレイをする。 左の写真は、縄張り争い。 一番下の個体は、上の個体に嘴で翼をくわえられている。 縄張り争いは、縄張り形成時に、縄張りを取り合う争いをし、 形成した縄張りへ接近・侵入してくる個体に対しては、 嘴や翼を引っ張り合う争いをする。 求愛のディスプレイは、メスが嘴を空に向けて振り上げ、 オスがメスに応えて求愛給餌を行う。 |
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