本の紹介


娘・祐子が天国に行ってしまった後、私は罪悪感、挫折感を味わいました。
心を再生することはなかなか難しいことですが、その時期、ひたすら何かをみつけたくて、
また死について、生命について、愛する人を失うことについて考えたくて本を読みました。
その中で特に印象に残っているものを紹介します。

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(財)がんの子供を守る会本部関東支部活動状況子供を亡くした親の会Profile


書 名 著 者 出版社 刊年
死ぬ瞬間
E・キュブラー
・ロス
読売新聞社
1971 精神科医であるロスは、60年代後半に当時としてはタブーだった死にゆく人々への面接を開始し、その心理を探った。世界中でベストセラーとなる。山崎章郎医師もこの本に触発されてターミナルケアに取り組む。
死ぬ瞬間の子供たち
E・キュブラー
・ロス
読売新聞社 1982 子供の死を親たちが看取るという重いテーマを扱った本。
新・死ぬ瞬間
E・キュブラー
・ロス
読売新聞社 1985 いろいろな年齢の死にゆく子供たちとの十年間にわたる経験から生まれた本。
人生は廻る輪のように
E・キュブラー
・ロス
角川書店 1998 E・キュブラー・ロスは、どのような人なのか興味を持ち読んだ本。ロスの自叙伝。
タギーへの手紙
E・キュブラー
・ロス
佼成出版社 1998 “いのちって、何?死って、何?どうして、小さな子どもたちが死ななければいけないの?”という疑問にE・キューブラー・ロスが脳腫瘍を患っていた9才の少年にあてて書いた手紙。平成8年に翻訳家の大家京子さんが訳して下さったものを子どもを亡くした直後に読み心が癒されました。紹介の本はアグネス・チャンの訳したきれいな絵本です。
死をみつめる心 若林一美
主婦と生活社
1987 ミネソタ州立大学の「死の教育と研究センター」に研究員として留学。下手な慰めが子どもを失った母親の立ち直りを遅らせるという。
死別の悲しみを超えて 若林一美 岩波書店 1994 生きる勇気や知恵、生き方について考え直すきっかけが得られる。子どもを亡くした親の会「ちいさな風の会」世話人。
「悲しみ」を超えて生きる 若林一美 講談社 1998 身近な死や喪失から生まれる「悲しみ」を手がかりに、日本の社会や人の心を探り、「生きる力」がどこから生まれてくるのかを考える。
臨死体験上・下 立花隆 文芸春秋 1994 死にゆくプロセスが楽な気持ちで通過できるという、死ぬのが恐くなくなってほっとするかも・・・。
喪の途上にて 野田正彰 岩波書店 1992 日航ジャンボ機墜落、上海列車事故、第一富士丸沈没。かけがいのない人の死を遺族はどう受け止めるか。
「死の医学」への日記 柳田邦男 新潮社  1996 身近なところで起きたことや取材で出会った人々の生と死を通しての記録。
「犠牲(サクリファイス)わが息子・脳死の11日間」 柳田邦男 文春文庫 1995 文藝春秋で読んでいたのだが、その時より加筆がありもっと赤裸々に語っている。
病院で死ぬということ 山崎章郎 主婦の友社 1990 ホスピスの必要性を説くこの本はベストセラーとなり、映画化された。著者は現在、聖ヨハネ会桜町病院ホスピス科部長。
川の見える病院から--
がんとたたかう子どもたちと
細谷亮太 岩崎書店 1995 作者は聖路加国際病院の小児科医。鼻の奥がツーンとなる場面が何度も・・・
忘れられない贈り物 スーザン・バーレイ 評論社 絵本ですが大人が読んでも心に残る本です。細谷先生御推薦。天国に行ってしまった人たちは、みんな私たちに大きな贈り物を残してくれている。そして、その人を思い出す時、その人はいつでも私たちと一緒にいる。
あとに残された人へ
1000の風
南風椎訳 三五館 1995 『私の墓石の前に立って涙を流さないでください/私はそこにはいません/眠ってなんかいません/私は1000の風になって吹きぬけています』写真集といった感じですが心にしみます。
子供を亡くしたあとで アン・K・フィンクベイナー 朝日新聞社 1997 自らも息子を亡くした女性ジャーナリストが親たちとのインタビューを通して「子供との死別」についてまとめた本。
わたしの天国でまた会いましょうね クリステル&イザペル・ツァヘルト 集英社 15才の少女イザベルはある日突然胸の痛みを訴え、悪性腫瘍の末期と宣告を受ける。彼女は力一杯闘うが、1年後、ついに力つきて、自らの意志で治療を拒否し尊厳死を選択する。死はこわくない。人生の意義はいかに生きるかにあるのだ、けっしてその長さにではない・・・。という力強いメッセージが伝わってきます。
風の中のめんどりたち 橋本明子 あけび書房 1993 子ども亡くした母親たちの思い。
訪問看護だからできること
押川真喜子 リヨン社 1996 聖路加国際病院訪問看護科婦長。入院か在宅医療かで迷っているときにその選択について考えてみるきっかけになれば。
麻衣ね、死ぬのが怖いの 石黒美佐子 立風書房 1993 白血病により神様に導かれて天国へ。医療、宗教、家族、学校に関係する人たちの愛を語り、生と死を通して人間の素晴らしさを語る。
病院で子どもが輝いた日 斉藤淑子/坂上和子 あけび書房 1995 都立養護学校教諭となるが、次男が小児癌を発病、それをきっかけに病院内保育の重要性に気づく(斉藤淑子)。その体験と、病院内訪問保育(坂上和子)の実践記録。
愛する人を亡くした時 アール A. グロルマン 春秋社 1986 3人の愛児を亡くしたアブラハム・リンカーンの力強い言葉が最初目に飛び込んでくる。
病院近くのわが家 岩井啓子 朝日ソノラマ 1998 子どもが入院する時、地方から大学病院のある東京へと移ってくる。その親たちは近くのホテルなどを転々としたり、経済的にも悩むところ。難病の子と家族が安価に滞在できる施設作りに取り組む。残念ながらこの本が出来る前に心臓病で亡くなる。
闘いの軌跡 戈木クレイグヒル滋子 川島書店 1999 子どもを小児がんで亡くした母親たちの短期集中型サポートグループの方法が具体的に紹介されている。母親の内面で何が起こっているのか、またどのように変化していったか。
生きがいの創造 飯田史彦 PHP研究所 1996 生きがいシリーズではおなじみ。「すべてのことには意味がある」と教えられました。
種まく子供たち 佐藤律子 ポプラ社 2001 小児ガンにかかった7人とその家族の手記。難病と向きあって日々を精一杯生きる姿は、生きること・死ぬこと、人の尊厳、家族や人々の絆など、多くの大切なことを教えてくれる。

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