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『トッカン−特別国税徴収官−』

高殿 円 著
(高殿円著・早川書房)
定価 760円+税

私は税理士である。
税務署や国税局は、申告書などの提出先であり税理士と同じ税金に係わる仕事だということでなじみのある役所である。しかし、顧問先のお客様に対する税務調査や納税のお願いの連絡も多く、どんなによい人でも心を許してはいけないと思っている。特に国税徴収官は、滞納した税金の取立てが主な仕事であり言い訳を許さない厳しさがある。そして「特別」となると国税局から税務署に配属された、大口(500万円以上)で悪質な滞納者を相手にする優秀な徴収官である。
国税局を「本店」、各地の税務署を「支店」、所属税務署を「会社」など用語集もあり、新米徴収官「ぐー子」のがんばる姿と指導する立場の「トッカン」が笑いと感動を呼ぶ。
税金を滞納するのはお金がないというのが理由になるが、その滞納者の生き様や人生観、生い立ちや人間関係など深く掘り下げていき、読んでいると引き込まれていく。納税は国民の義務ではあるとわかってはいるが、「消費税税率アップ」となると反対したくなるものである。この本は、税金の必要性とその使い道まで考えさせてくれる一冊である。
避けて通ることのできない税金であれば、よりよい社会にするためにはどうしたらよいか、一人一人がしっかり考えて政治家の文句を言うばかりでなくいっしょに考えていきたいものだ。




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「月明かり」 岸 一也