海岸線・岩礁地の鳥  ウトウ NO. 9/9
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ウトウの雛 巣立つ

ウトウの雛巣立ち1

ウトウの雛は、7月上旬から下旬にかけて巣立ちます。
夜、ウトウは天敵を避けて巣立ち、2時間も3時間もかかって海岸に出ます。
ウトウの雛の嘴は親鳥と異なり、ほとんど滑らかです。

巣穴を出て真っ暗闇を海へ向かう雛

夜中に巣立つ

巣立ちの最盛期には、雛が次々と海岸へ向かいます。

難所の崖も乗り越えて...

海へ向かうウトウ

ウトウの巣穴は赤岩灯台付近。 標高、百数十メートルもの断崖の上。
その断崖上から海へ沢があり、雛は急な沢沿いを経て海岸へ向かいます。
沢とはいえ、大きな岩の崖を乗り越えなければならない難所がいくつも...。


綿羽が残っている雛も巣立つ

産毛の雛

幼綿羽が残っている雛も巣立っています。
親が何らかの事故で雛のところへ帰れなくなり、お腹を空かした雛が巣立つ場合もあるようです。
沢を下ったので、胸もとが赤土で汚れてしまった。

左右を確認して

左右を確認

ウトウの雛は天敵を恐れ、左右の安全を確かめ、同時に海岸の方向を知ります。

綿羽は残っていますが、もう立派な水かき

ウトウの水かき

ウトウの雛は飛んで巣立ちをしません。 とことこ海岸まで歩いて巣立ちます。
この雛には綿羽が、たくさん残っています... 全く綿羽の無い雛と大差があります。
何かの理由で早く巣立ったのでしょう。

まあーるい目と綿羽

雛のアップ

綿羽がのこっている雛のアップです。
綿羽の頭、まあーるい目、いかにも巣立ち雛らしい。
アップにすると、沢で胸についた砂粒が見えます。

無事、海岸に出ました

海へ出たウトウ

ウトウの親鳥は、巣立つ頃になると雛にかかわりません。
綿羽のある雛でも海では、もう水中飛翔ができ、魚が捕れます。
夜が明ける頃、巣立った雛は島から数kmも沖合に出ます。

7月末まで巣立ちが続き、8月から冬季の間は海上で生活をします。
ウトウは次の繁殖期まで、島に戻ってきません。

ウトウの繁殖生態を観察なかで、親鳥が雛の餌を調達し、
ウミネコや仲間から雛の餌となる魚の争奪戦に遭ったり、オオセグロカモメに雛が襲われたり、
親鳥がさまざまな苦労をしたの末の、巣立ち、オメデトウですね。

*

このページに掲載してあります、ウトウの雛が巣立つ写真は、
環境省羽幌町北海道海鳥センター 様のご厚意により提供していただきました。

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